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第7回診断病理サマーフェスト-病理と臨床の対話-開催報告

自治医科大学病理学・病理診断部 福嶋敬宜 
(第7回診断病理サマーフェスト担当世話人) 

 『診断病理サマーフェスト-病理と臨床の対話-』は,日本病理学会の毎年の夏の恒例企画として定着しつつあります。この会は,単なる病理診断講習会ではなく,その年の当該分野の病理医のみならず臨床医も講師に招き,病理と臨床医がそれぞれの立場から講演し,対話をするというユニークなものです。このため,参加者にも毎回,比較的多くの臨床医の顔が見受けらえます。その第7回目の診断病理サマーフェストが2013年8月24日(土),25日(日)に「肝胆膵の病理と臨床」をテーマに京都で開催されました。
 過去6回で少しずつリピーターも増え,今年はwebサイトでの参加募集開始から1日の間に約40名からの応募があり,1週間後には200名の定員を上回るような状態だったようです。主催者側はうれしい悲鳴というより驚きでした。この時点で,深山理事長のご判断により,会場の椅子・机を増数し,最終的に受講者数245名で締め切りました。それでも,参加希望であったにもかかわらず参加できなかった皆様も大勢いらしたようで,本当に申し訳なく思いました。最終的な参加者は,242名(男性158 女性84)で,病理医189名,放射線科医16名,消化器医32名,その他4名と,50名近い臨床医にも参加いただき嬉しく思いました。さらに病理医7名に,臨床サイドから8名の講師をお招きして,病理と臨床の対話の準備は整いました。
 1日目は,小田日本病理学会理事,森谷サマーフェスト委員会委員長の挨拶で開会しました(スケジュール詳細は下)。第1部は,「肝臓の上皮性腫瘍update」,「肝臓非腫瘍性疾患の診断アプローチ」,第2部は「膵胆管内腫瘍・上皮内腫瘍性病変」,「腫瘍と鑑別を要する炎症性病変」として対象臓器のトピックスについて,病理,画像診断,関連臨床分野からの講演があり,その後,各セッションごとに討論を行いました。夕方には懇親会も行われ,講演会場では話しつくせないことを,講師にぶつけたり,まさに,病理と臨床が対話・交流し楽しく学ぶ機会になったと感じられましたし,新たな出会いもたくさんあったようです。2日目の朝は,ちょうど集合時間の頃,突然の大雨が降りましたが,ほとんど参加者が時間通りに集まり,この日も朝から熱気ムンムンでした。第3部,「細胞診検体の扱い方(EUS-FNAを中心に)」,「新鮮検体の扱いと術中迅速診断」では,次の日からの業務にも役立つような総論的内容についての講演と討論を行い,第4部では肝臓と膵臓の症例検討を行いました。
 2日間で肝・胆・膵疾患を扱ったため,若干駆け足になったり,もう少し討論時間がほしいなあ,と思う場面もしばしばでしたが,時間制約の中だからこそ各トピックスにフォーカスせざるを得ず,そういう意味では効率よくそれぞれの知識を整理するのに役立ったのではないかとも思います。ハンドアウトは,オールカラー262ページ(CD付き)で,会終了後も,参考書として,その時々で参照して頂けることを期待しています。
 現在,参加者に書いていただいたアンケートの内容をレビュー中ですが,主催側では気付きにくい鋭いご意見にうなずいたり,思いがけないお褒めの言葉に笑顔になったりしています。ちなみに,総合評価だけ公表しますと(アンケート回収151名分),「非常によかった」(29.8%),「よかった」(61.6%),「普通」(6.6%),「要改善」(2.0%)と,少なからず「よかった」と思っていただいた参加者が90%を越えたことは主催者側としては疲れも吹き飛ぶ結果といえるでしょう。頂いた意見や提案は,次回以降のサマーフェストに活かさせて頂きます。
 今年の企画はサマーフェスト委員会の担当世話人である福嶋が能登原憲司先生(倉敷中央病院 病理検査科)の多大なる協力を得て行いました。また会場の準備運営は羽賀博典先生,南口早智子先生はじめ京都大学病理診断学教室の皆様によってとてもスムースに行われました。その他,講師(下記),病理学会理事会,サマーフェスト委員会,病理学会事務局,参加者など,多くの方々に支えられて第7回診断病理サマーフェストを無事終了することができました。心よりお礼申し上げます。有難うございました。
 来年,第8回診断病理サマーフェストは,乳腺をテーマに東京大学で行われる予定です。ぜひ,またお楽しみに!

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第7回診断病理サマーフェスト-病理と臨床の対話-
テーマ:肝胆膵疾患の病理と臨床 
 (2013年8月24日,25日,メルパルク京都)

【第1日目】  
第1部:肝臓・・・・・モデレーター(能登原)
1.上皮性腫瘍update
 病理(中島)、画像(赤羽),外科(佐野)
2.非腫瘍性疾患の診断アプローチ   
 病理(中沼)、内科(山本)   

第2部:胆膵 16:20-19:00(80・10・70)・・・・・モデレーター(福嶋)
3.膵胆管内腫瘍・上皮内腫瘍性病変 
 病理(福嶋), 内科(真口), 外科(木村)  
4.腫瘍と鑑別を要する炎症性病変  
 病理(能登原),画像(藤永),内科(岡崎)    

【第2日目】
第3部:病理検体の扱いと診断法・・・・・モデレーター(能登原)
5.細胞診検体の扱い方-EUS-FNAを中心に
 内科(山雄)、病理(若狭)、
6.新鮮検体の扱いと術中迅速診断
 外科(木村)、病理(肝胆;三橋)・(膵;平岡)

第4部:症例検討・・・・・・モデレーター(能登原,福嶋)         
7.肝臓症例提示(中島)
 膵症例提示(三橋)

【講師(講演順・敬称略)】 
中島 収(久留米大学 中央臨床検査部 教授)
赤羽 正章(東京大学医学部放射線医学講座 准教授)
佐野 圭二(帝京大学医学部外科学講座 教授)
中沼 安二(金沢大学 大学院医学系研究科形態機能病理学 教授)
山本 和秀(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学 教授)
福嶋 敬宜(自治医科大学 病理学・病理診断部 教授)
真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター センター長)
木村 理 (山形大学医学部外科学第一講座 教授)
能登原 憲司(倉敷中央病院 病理検査科 主任部長)
藤永 康成(信州大学医学部画像医学講座 講師)
岡崎 和一(関西医科大学 消化器内科学講座 教授)
山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院 消化器内科 部長)
若狹 朋子(大阪赤十字病院 臨床検査部 副部長)
三橋 智子(北海道大学病院病理部 准教授・副部長)
平岡 伸介(国立がん研究センター研究所 分子病理分野 ユニット長)
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