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日本病理学会の一般社団法人、公益社団法人選択に関する報告に対する質問・意見の公募

従来の公益社団法人は、平成20年12月1日の新社団法人・財団法人制度施行後は、特例民法法人として存続していますが、平成25年11月末迄に、 新制度での一般社団法人又は公益社団法人のどちらかに移行しない場合は、解散しなければなりません。日本病理学会(特例民法法人)では、向井副理事長を委 員長とした検討ワーキンググループで、一般社団法人・公益社団法人選択に関する検討を行いました。この検討ワーキンググループでの検討内容を踏まえ、理事 長、常任理事会は、『一般社団法人を選択する。しかし、今後公益社団法人制度の運用状況、一般社団法人を選択した他学会の動向を十分調査し、その後の公益 社団法人化を検討する』との方針をとる判断をし、この方針は2011年3月の理事会で承認されました。一般社団法人・公益社団法人選択の利点・不利益点と この方針は、第100回日本病理学会総会の時に開催された会員総会で報告され、同時に一般社団法人申請に向けて準備を行うことも報告されました。その時の 報告内容は、以下の通りです。この報告に関する御質問、御意見がございましたら、メール又は文書で事務局迄お送りください。

1)一般社団法人・公益社団法人選択の要点
事業内容が主に公益事業の一般法人は、申請すれば公益社団法人として認可され、税制上の優遇が与えられます。しかし、それと引き換えに事業活動、財政運営における制約が課され、それ等において行政庁の厳格な監督を受けなければなりません。法人の組織運営機構(内部統治機構)は、社員総会、理事、理事会、監事を置く一般社団法人と公益社団法人との間で基本的な相違はありません。従って、一般社団法人、公益社団法人選択における要点は、『公益社団法人での税制上の優遇事業活動、財政運営における制約、行政庁の監督を天秤に掛けた時どちらの方にメリットがあるか。』ということであります。

2)結論
現在の日本病理学会の財政運営状況から判断すると、公益社団法人での税制上の優遇のメリット少なく、又新公益法人制度下での行政庁の監督の基準、範囲、程度も不明確でありますので、取りあえず一般社団法人を選択し、一般社団法人申請の準備をすることにしました。一般社団法人になった後でも、公益社団法人になることはできますので、公益社団法人制度の運用状況、一般社団法人を選択した他学会の動向を十分調査して,今後公益法人化も検討することにしました。

3)一般社団法人と公益社団法人の比較表

一般的項目、運営等に関する項目についての比較
比較項目 公益社団法人 一般社団法人
名称 公益法人の名称による社会的信用の増加  
事業内容 現在の事業内容を変更する必要はない 同じ
定款の変更 一般社団法人法に適合した定款変更案を作成する。 同じ
理事・理事会・監事等運営機構 運営機構は、一般社団法人と同じ 運営機構は、公益社団法人と同じ
情報開示 誰でも閲覧可能とする 公告など必要最低限
申請 申請書、定款・定款の変更案、事業計画書、収支予算書、財産目録、貸借対照表、その他の財務書類、役員報酬基準等、 申請書、定款・定款変更案、公益目的財産額及びその計算を記載した書類、公益目的支出計画書等、


税制優遇と財政運営での制約、監督に関する事項の比較
比較項目 公益社団法人 一般社団法人
法人税 公益目的事業の利益は非課税、収益事業の利益を公益目的事業に充当することにより、法人税を軽減できる。病理学会では数十万円か 非営利法人では公益事業の利益は非課税、税法上の収益事業のみ法人税を課税
寄付金控除 企業や個人は寄付金控除により、寄付金の額を所得から控除できる。学術集会の開催やその他の学会事業への影響はほとんどない 寄付金控除はできない。
利子に関わる源泉所得税 非課税。本学会ではメリットは少ない 課税
公益認定基準 公益事業50%以上、収支相償(公益目的の収入は原則費用を超えてはならない)、遊休資産制限:病理学会では基準を逸脱することはない 収支相償、遊休資産制限はない
公益目的支出計画(公益目的財産額に相当する金額を公益のために消費していく計画)の作成が必要となる。
行政庁の監督 毎年認定基準に適合しているかを確認する。立ち入り検査、勧告、命令、認定取り消しがあり得る。実際には、最大限の努力をするので、取り消しの可能性はない。 公益目的支出計画実施中は報告義務あり。公益目的支出計画の変更には承認がいる。計画が適正に実施されていないと立ち入り検査、勧告、命令があり得る。公益目的支出計画完了後は、監督を受けない。
会計 遊休資産は1年分の事業費相当額以下とする。将来の事業に備えて特定事業準備金を積み立てることがでる。学術振興基金と国際交流基金は支出計画を立てて毎年支出する必要がある。減少分は特定事業準備金を積み立ての増加で相殺され、基金は全体としては減少しない 遊休資産の保有額に制限はない。公益目的資産を学会の事業のために支出して減らす必要があるが、会費収入が積み立てられるので全体の資産は減少しない。
監査 外部監事による決算の監査が望ましい。 外部監事は必ずしも必要としない。
会費 現行からの変更はない 同じ
資産の保全 現在の資産は、保全できる 同じ