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平成24年/25年度役員選挙:全国区選出理事(選出区分2)所信表明一覧

全国区選出理事候補者:14名;掲載はABC順

深山正久  東京大学大学院医学系研究科

東日本大震災,その後の困難を乗り越え,規模縮小はありましたが第100回病理学会を成功裏に開催できましたこと,会員の先生方のご尽力,ご支援の賜物で あり,学会会長として深く感謝申し上げます.ワークショップ・オープンフォーラム公募,学会開催時座長,演題発表などで示された個々の会員の熱意,力量は 素晴らしいものでした.病理学の次の100年を築くエネルギーを実感し,「Diagnosis and Discoveryの学」としての病理学を皆様とともに強力に推し進めていきたいと決意を新たにしました.これまで三期六年の理事としての経験と実績(企 画委員長,専門医部会長)をもとに,学術活動のさらなる活発化,病理専門研修への公的補助要望などを通じた若手病理医のリクルートを目指します.国民の医 療に責任をもつ病理専門医の社会的認知を高め,生涯教育の充実を図ります.病理情報ネットワークを活用し,若手が積極的に参加する学会運営を進めます.ご 支援,お願い申し上げます.


福本 学  東北大学加齢研病理
今次の大震災で、海外を含めて病理関係者の連携による物的、精神的支援が復興に大きな力となることを痛感しました。一方、病理学会100年を経て、慢性的 な専門医不足と高齢化を迎えています。さらに公益法人を選択するか否かなど、学会を取り巻く環境は激変の一言です。今後の病理学会の発展に若手人材の育成 が第一であることは明白です。そのために①市民講座や他学会との連携などを通して、研究と臨床における病理の重要さを広く知ってもらう、②病院に病理科が あることによる医療へのメリットを検証し周知する、③医学を志す人材に、病理業務は意外と自分で時間をマネージできること、研究を通して考える楽しさを身 につけるために病理学は恰好であることのアピールに重点を置いて参ります。被災経験を活かして、蓄積した病理標本の保存・廃棄の道筋作りを含め、病理とし ての危機管理法や、学会としての迅速な被災地域への貢献法について提案して参ります。


樋野興夫  順天堂大学医学部病理・腫瘍学

「診断病理学」と「実験病理学」とそれをブリッジするダイナミックな「広々とした病理学」は、時代の要請であると考えます。病理学の在り方を静思し、日本 病理学会の存在を高らかに世に示す時であると思います。「広々とした病理学」とは、「病理学」には限りがないことをよく知っていて,新しいことにも自分の 知らないことにも謙虚で,常に前に向かって努力しているイメージであります。 (1)世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見ていく (2)俯瞰的に病 気の理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材の育成 (3)複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具 眼の士」の種蒔き  第99回日本病理学会総会「広々とした病理学-深くて簡明、重くて軽妙、情熱的で冷静-」を主催させて頂きました。お陰様で大盛況で した。「病理学に新鮮なインパクト」を与えることが理事の使命と考えます。

黒田 誠  藤田保健衛生大学病理診断科

 私は全国区理事として、一貫して"医療としての病理学"の実践と啓発活動に全力を挙げて取り組んできました。高度先進医療における最終診断やセカンドオ ピニオンあるいは診療関連死の問題等で国民が病理に対して注目をし新たな視点から期待をしてきております。また、この間に「病理診断科」の標榜が実現し 「病理診断」が第13部として独立できました。国民は病理医の仕事の重要性を着実に認識しております。今こそ日本病理学会の社会における立ち位置とあり方 を真剣に考えていくとともに、医学生および研修医が"医療としての病理学"に魅力を感じる現場のあり方を検討し、実践していかなければなりません。病理が 医療に必要不可欠な存在であることを世の中に幅広くアピールをし国民から支持をしていただけるように尽力します。現在までの病理学会での多くの経験を基盤 として全力でがんばっていく所存でございますので御支援の程何卒宜しくお願い申し上げます。

仲野 徹  大阪大学医学系研究科病理学

病理学とは、疾患の原因・病因を探る統合的な学問分野であり、すべての医学部生は、病態を正しく理解できる医師になるため、最先端の学問分野としての病理 学を身につけなければならない。大阪大学医学系研究科・病理学の教授に就任してからの7年間、このような考えに基づき、教育および研究に勉めてまいりまし た。また、昨年度からは学術委員会委員として、病理学会の学術の発展に努力して参りました。病理学の重要性と魅力を広く発信するとともに次の世代に伝え、 さらに発展させていくことが、病理学教室に籍を置く私に課された何よりの責務であると考え、非力ではありますが、日本病理学会のお役に立てればと、今回の 選挙にあたり、思いを定めるにいたりました。何卒、ご理解をいただき、このたびの理事選挙(全国区)への立候補につきまして、ご支援を賜われば幸甚に存じ ます。

根本則道  日本大学医学部病理学分野

平成20年の医療法改正は病理診断科の開業を可能とし、診療報酬改正による病理診断(第13部)の独立は病理医の社会的認知度の向上に繋がりました。ま た、22年の改正では病理診断料の増点(500点)と診療所での算定が認められ、細胞診断料(240点)が新設されました。しかし、現行の病理診断料と細 胞診断料の算定には様々な制約があり、医療現場における実情と大きく乖離しています。国民のための良質な医療は病理医により担保されると言っても過言では ありません。従って、病理医の育成は病理学会の責務です。病理医育成には病理診断に関わる医療環境を魅力あるものに整える事が必須です。私は医療業務委員 長として社会保険委員会と共にこの問題に真剣に取組んできました。将来を担う若い医師が病理医を職業選択として選ぶことができる医療環境を整備するために 理事として誠心誠意努力する所存です。会員の皆様の力強いご支援をお願い申し上げます。

落合淳志  国立がん研究センター東病院 

これから10年余りで、日本は世界的に経験のない超高齢化社会に突入し、患者数は急激に増加すると思われます。病理医数が減少する半面、分子標的治療の導 入、治療法の多様化、診断の複雑化および専門化が進み、医療訴訟や診断精度管理など病理医への要求は厳しくなると考えられます。このような山積した問題に 対処するには、病理医の育成はもちろん、病理診断に不必要な病理学的記載を省き、規約の統一化・簡素化を行うなど病理診断のための基盤を早急に整える必要 があると考えます。この問題は、病理学会単独で解決できるものではなく、臨床諸学会および厚労省と連携し、新しい病理診断のための社会的基盤を形成し、病 理診断の精度管理体制を確立する必要があると思われます。私はこれまでの病理診断、取扱い規約作成、標的治療診断確立などの経験を生かし、今後の病理診断 の基盤整備を不断の努力により達成したいと考え、本学会理事に立候補いたしました。

小田義直  九州大学形態機能病理

現在、若い世代の病理学会会員および病理医専門医の減少が問題となっていますが、人材育成委員会委員であった経験を生かし、ワークライフバランスの充実を 図り病理医の働く環境を改善することによって、若者にとって病理専門医が魅力ある職業になるよう努力します。私は現在まで人体病理学に関する研究に従事 し、学術関係では研究推進委員会委員やPathology International 常任刊行委員を務めてきました。病理学の更なる発展のためには人体病理と実験病理との融合が必要であり、病理学会総会の活性化に取り組んでいきたいと思い ます。同時に単なる病理診断医ではなくリサーチマインドを持った病理医の育成も必要と考えています。さらに国際的なバランス感覚を持った病理医あるいは病 理研究者を育成するために、積極的に海外の病理学会あるいは病理学者と交流し若手を海外に派遣する仕組みを整えたいと思います。

岡田保典  慶應義塾大学医学部病理学教室

診断病理学と実験病理学の一方に偏ることなく、両者がバランスよく運営されることが日本病理学会にとって最も肝要と信じております。このような観点から、 これまで学術担当の常任理事・副理事長、広報委員長として、学術集会の改革、Pathology Internationalのonline化と会費の値下げ、市民公開講座の改善、ホームページの改訂などに取り組んできました。来年4月には第101回 日本病理学会総会を開催することとなっております。次代を担う若手病理医・病理学者の発掘、新たな病理医・病理研究者の育成が重要課題と考えています。こ れらの課題達成に向けて、学部・大学院生や研修医に魅力と期待を抱かせる病理学を提示するとともに、日本病理学会のさらなる活性化・充実を目指して努力し たいと考えております。病理学会員の皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

笹野公伸  東北大学病理診断/病理部

 最初に本年3月11日に発生しました未曾有の東日本大震災の犠牲者に哀悼の意を述べさせていただきます。 今回の大震災は被災地ばかりでなく本邦全体に 対して医療、医学教育等の分野も含め多大なる影響を及ぼし出しております。 このような大きな潮流の中でけして病理診断科、病理学を埋没させてはなりませ ん。 特に諸先輩方の多大なる努力で標榜科としてようやく実現しました病理診断科を更に確固としたものとして発展させる事が何よりも望まれるのではないで しょうか。 具体的には病院や施設等で一人病理医を複数化させる為に内、外保連で病理医による診断行為を更に評価していただく事、病理診断の均霑化の重要 性の更なるアピール、剖検/CPC等を公的制度として医療行政に組み入れる事等が病理学会全体として取り組んで行く優先課題と信じます。 これらを着実に 実現していく事が一人でも多くの後輩を病理の道に進ませる重要な第一歩になると考えます。

白石泰三  三重大学医学研究科腫瘍病理学

私はこれまで中部支部長として病理医のサポートを念頭に活動を行ってきました。事務局機能を強化し、HPの有効利用、ヴァーチャルスライド活用、支部会 (交見会)症例のデータベース化、世話人の負担を減らした交見会運用、を目指しました。支部活動は活性化され交見会参加者は増加しました。しかし、支部活 動には人員、財政面で制約があります。全国区理事として選出された場合はこれまでの経験を活かし、支部機能の強化を図ります。
また、学術活動のさらなる活性化のためには若手人材の発掘、育成が重要です。「座長候補リスト」を有効利用し、座長以外の活動にも参加していただき、学会 を挙げて彼らのサポートを行います。このような活動でキーワードは「連携」であると考えます。地域、年代を超えた病理医間の連携だけではなく、基礎・臨床 各部門、他の学会、さらには学生、と対象を幅広く考え、各方面との連携を深め、汗を流して活動していきます。


髙橋雅英  名古屋大学医学系研究科分子病理

日本病理学会理事に立候補するにあたり所信を表明いたします。病理学会は言うまでもなく、ヒトの病気の病態解明の研究と診断病理が両輪としてバランスよく 発展し、多様な人材育成が行われることが重要です。基礎医学の分野で医学部出身の研究者の減少が危惧されている状況において、病理学教室の果たす役割は極 めて重要であると考えています。病理学会が発展するためには、若い人たちに魅力のある多面的な活動を展開することが重要であり、そのために尽力したいと考 えています。私は2006年4月よりPathology Internationalの編集長に就任し、その発展にも尽力をつくしてきました。投稿数も国内外から毎年300編を超えるようになり、他分野にわたる 優れた論文を数多く掲載でき、インパクトファクターも目標であった1.5(2009年度、1.521)に達しました。引き続き、本誌の発展のために頑張っ ていく所存です。


上田真喜子  大阪市立大学医学部病理病態学

私は、平成20・21年度は日本病理学会の理事および人材育成委員長として、平成22・23年度は常任理事、および財務委員長として活動させていただきま した。日本病理学会のさらなる発展のためには、若手病理医・病理研究者の育成がなによりも重要です。私が委員長として平成21年にまとめた「人材育成委員 会からの提言」に基づいて、日本病理学会では男女共同参画委員会が設立され、現在、種々の取り組みが進行中です。今後は、女性病理医・研究者が男性病理 医・研究者と対等のキャリアアップができるように、「Gender Equality」の理念に基づいた育成システムの確立・充実が重要課題です。また、日本病理学会の財務については改善すべき諸点があり、会費の値下げを はじめ、会員の御意見や御要望が反映されるような透明性のある財務システムに改善するべく、全力で取り組みたいと考えております。皆様の御支援を賜われば ありがたく、よろしくお願い申し上げます。


安井 弥  広島大学大学院分子病理学

病理学は病因・病態を究める統合の医科学であり、診断病理と実験病理は「病理学」の両輪、恊働することにより大きな推進力を発揮することができます。これ までの努力によって心強いことに病理に興味を抱く者は増えてきています。この若い力を仲間とし、次代を担う病理医・病理研究者に育て上げることが学会の大 きな使命です。そのためには、病理学を取り巻く環境をより充実させ、一層魅力的なものにしていく必要があります。研究推進委員長として病理学会カンファレ ンス等の活性化に取り組んでいますが、病理学会学術集会の充実・発展・活性化も極めて重要な課題です。私たちが特性として持つ医療・社会のニーズへの対応 力と医科学における鳥瞰的視野を自信として、重きを診断に置く者も実験に置く者も、それぞれの使命と立ち位置を認識し、叡智を結集して「病理学」を盛り上 げる、病理学会がその場となるように尽力する所存です。ご支援をお願い申し上げます。