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ドイツ病理学会に参加して

坂元亨宇常任理事(慶應義塾大学)

5月24日~26日まで、ドイツのベルリンにて開催されたドイツ病理学会DGP2018に、国際交流事業の派遣を受けて参加しました。派遣に際しては、深山理事長、石川国際交流委員長、並びに関連委員会の諸先生方のご高配に、改めて感謝申し上げます。
今回の学会は第102回で、日本とほぼ同じ歴史ですが、会の規模は、約1/3程度といった感じでした。基礎研究、学術研究とともに、各論、診断に関する講演、IAPのコース等も網羅されており、内容的には、ほぼ同じ構成でした。殆どがドイツ語で講演をされており、詳細を把握はできませんでしたが、若手の発表よりシニアによる発表が中心で、若手は一生懸命勉強している感じを受けました。医学生は、女性が6割程度とのことでしたが、学会場は男性がかなり多い感じでした。今回のメインテーマは、Tumor evolution, Intratumoral heterogeneity, AIで、ダーウインの進化論から腫瘍の進化を考える講演など、ドイツらしいテーマ設定でした。
企業が、会の運営全体を任されていることはある程度理解していましたが、いわゆる学会事務局のようなものが全く存在していないことに、戸惑いました。今回の会長は、Kiel大学のProfessor C. Rockenでしたが、恐らく、プログラムの策定と会長招宴の挨拶が主なイベントだったと思われます。不安な一方気楽に会には参加できましたが、日本のおもてなし満載の学会とのギャップを再認識しました。会長招宴は、ベルリンの歴史を感じるレストランで行われましたが、そこでは、日独交流のことを含め、最初に紹介してもらい、また主な教授関係者と直接話をすることができて、取りあえず役目は果たせたかなとほっとはしました。細やかではないけど細かい気配りと議論にドイツらしさを感じた3日間でした。
会長招宴の行われたベルリン旧市街から町のはずれの再開発地の会場(+ホテル)に戻る途中のタクシーで、ベルリンの壁といわれて撮った写真が、ガイドブックにも載っている有名な場所と後で知りました。歴史も学べた、有意義な交流事業に参加させていただいたことに、改めて感謝いたします。

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会長招宴カクテルタイムの様子