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> 平成24年度/25年度日本病理学会理事長所信
(社)日本病理学会理事長 深山 正久
病理学会員の皆様へ
病理学会の目的は「病理学の学理と応用についての研究の振興、その普及を図り、もって学術の発展と人類の福祉に寄与する」ことにあります。この使命を達成するため、国民の理解と支援を受けた病理学会をともに築いていきましょう。
現在の日本病理学会の最重要課題は、「後継者のリクルート・育成」であり、病理医の重要性についての広報、研究医・病理医育成、基盤整備の三本柱の行動方針でこの課題に立ち向かっていきたいと考えております。
病理診断医の不足については、国民の医療、とりわけがん対策を考える上で非常に憂える状況ですが、打開の糸口もあります。「がん対策推進基本計画」において病理医不足の深刻さが認識されていること、またその対策として、「若手病理診断医の育成や病理関連業務を専門とする臨床検査技師の適正配置など」を行うとされています。今回の保険診療報酬改訂において、「病理診断管理加算」が認められたことも病理医雇用を促進する施策と考えることができます。これまでの諸先輩の努力を継承し、「病理診断科標榜」、「病理診断の診療報酬13部としての独立」につながった粘り強い働きかけを再開しなければならない、と強く念じています。
学問分野としての病理学においても、研究医の不足が問題となっています。病理学の診療、研究に積極的に加わる若い世代のために、基金を活用して環境を整備し、前進していきましょう。
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医療における病理学」を実践し、病理医の重要性を国民に訴える:広報の方策の一つとして、「病理専門研修への公的補助」を求める要望書を政府に提出します。がん対策推進基本計画見直しに当たり、病理医不足が取り上げられました。臨床研修におけるCPCの充実、診療関連死調査という場面でも、病理医が果たす役割が大いに期待されています。粘り強い活動を再開します。
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病理学を入り口とした研究医の育成:文部科学省においても研究医の育成の重要性が認識されるようになっています。研究医を志す医師の養成課程に、病理研修を取り入れる施策を提案し、医学研究における病理学の重要性を積極的に訴えていきましょう。
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病理学の重要性を学生、研修医に伝える:これまで私は「病理診断サマーフェスト」を提案し、若手臨床医の病理学へのリクルートを目指してきました。病理研修手帳の配布、研修登録システム構築により病理研修へのアクセスを高めます。各支部における夏の学校、学術総会における学生ポスターなど多くの取り組みが行われています。これらのために病理学会の学術医療振興基金を積極的な活用を考えていきます。
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病理医の立場を強化する:診療所での病理診断料の算定、保険医療機関としての病理診断科開業、病理診断料毎回算定など着実な成果を勝ちとっていくために行動します。一方、生涯教育委員会の設置などにより、病理専門医の生涯教育の充実を図ります。
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基礎生命科学と臨床医学の架け橋:病理学を強化するため、研究者と病理医の交流の場を積極的に設けます。臨床医学を支える「病理医と研究医」に対する理解を促進するため市民公開講座を開催します。
- 支部活動支援をはじめとした情報基盤整備:病理ITネットワーク作りを進め、支部活動支援を積極的に行うほか、教育環境の整備のため生涯教育委員会を設置します。さらに病理診断精度向上、国際交流の促進を図ります。