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平成22年/23年度役員選挙:全国区選出理事(選出区分2)所信表明一覧

全国区選出理事候補者:17名;掲載はABC順

青笹克之  大阪大学医学系研究科病態病理学

日本病理学会に課せられている主な使命は(1)病因・病態の解明を目指す病理学研究の進展、(2)病院で働く病理医の労働条件の改善を通して、病理診断業務を一層魅力あるものとするための努力、(3)学生、研修医の病理学教育の充実を通じて医学・医療の発展に寄与する人材を育成することにあると考えます。この三者の調和ある進展のなかに日本病理学会の将来の発展が展望されると考えております。何よりも病理学の魅力を高めることにより、多くの人材をこの分野へ集めることが大切と考えています。私は日本病理学会の一員として、又、全国区あるいは地方区理事としてもこれらの課題に全力で取り組んで参りました。これまでに培った知識、経験、そして人的交流を基盤として、微力ながら日本病理学会の充実、発展のために一層の貢献を行いたいと考えています。此度の理事選挙(全国区)への立候補にご理解をいただき、ご支援を賜われば幸いです。

江澤英史  重粒子医科学センター病院

以下の三点に特化し活動したい。①広報活動。病理医に対する社会認知度は低く、メディア取材で「病理士」と言われたりする。広報活動に携わり社会認知度を高めたい。②Ai(オートプシー・イメージング)の理解促進と社会導入推進。現在、学会理事によるAiの公募班研究が行われているが、病理専門外の画像診断であるAiの班研究を病理医が差配するのは学術的越権行為だ。おまけに班員のAiに対する理解が低く、その研究結果が社会認知されると病理学会発の医療崩壊が促進し、市民社会に禍根を残すことになる。現理事会はAiを解剖補助検査と規定するが、するとAiに費用がつかず社会導入を阻害する。こうしたAiに対する誤った認識を是正する必要がある。③現理事最年少は五十歳。若手病理医や地方の声が理事会に反映されず、このままでは三年後、現場の疲弊は増進し、崩壊してしまう。社会構造の中で若手中心の新しい病理学会像を提唱したい。

深山正久  東京大学

病理学会は2011年に100周年を迎えます.今回選出される理事は,「病理診断科」標榜科認可後の諸課題に積極的に対応すると共に,この節目を新たな出発点に病理学会発展の将来的な礎を築く,という責務を担います.これまで私は2期4年間,副理事長,企画委員長を務めました.この間,「若手医師確保に関する小委員会」の設置,「診断病理サマーフェスト:病理と臨床の対話」の企画と実施など,若手病理医のリクルートに取り組んできました.さらに,公益法人化への移行作業,100周年記念事業にも力を注いでいます.
引き続いてこれらの課題に取り組み,最も重要な「人作り」を念頭に,若手病理医育成と生涯教育に尽力します.また,国民の医療に責任をもつ病理学,そして基礎と臨床をつなぐ学問領域の発展を目指します.このため基礎研究者と病理医をつなぐ交流の場を積極的に設けていきます.
皆様の御理解と御支援をよろしくお願い申し上げます.

福本 学  東北大学加齢医学研究所

 私が医学部病理学教室から大学附置研病理へ異動して10年が経ちました。その間に附属病院が大学病院へ統合されたため、研究に軸足を置くこととなり、最近になり漸く体制を整えることができました。激変する環境の中で自分の立ち位置を見出したこの経験を、今後の病理学会の発展に役立てたいと思い、立候補しました。形態観察からその背景に思いを馳せるという本来の病理学を展開するためには高い質を維持しつつ専門医を増やすことが必要です。年齢、卒後経験を問わず、志の高い臨床医に対し門戸を開放し、同時に待遇改善を図る必要があります。例えば、病院勤務医に学位取得目的とした研究活動と併行して、病理専門医資格を取得する道を整備する。行政側との粘り強い交渉と、病理診断料ガイドライン作成により病理医の待遇改善を図る。標榜科実現、法人制度改革を機会に学会の定款・目的を患者・国民目線に変える、などを着実に実行したいと考えています。

樋野興夫 順天堂大学医学部病理・腫瘍学

「診断病理学」と「実験病理学」とそれをブリッジするダイナミックな「広々とした病理学」は、時代の要請であると考えます。患者の視点に立った医療が求められる現代、病理学の在り方を静思し、高らかに世に示す時であると思います。「病理学」には限りがないことをよく知っていて、新しいことにも自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力しているイメージです。 (1)世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見ていく(2)俯瞰的に病気の理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材の育成(3)複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔き  病気の本態が遺伝子レベルで具体的に考えられるようになり、病理学にとってエキサイティングな時代の到来であるはずです。 「潜在的な需要の発掘」と「問題の設定」を提示し、「病理学に新鮮なインパクト」を与えることが使命と考えます。

覚道健一  和歌山県立医科大学第2病理学

理事候補として所信を表明し、皆様の応援をお願いいたします。理事として学術委員、企画委員、教育委員会委員長として2期学会運営に参加しました。第52回秋期総会を和歌山で開催しました。病理学を将来性ある研究分野へ脱皮させるため分子遺伝学、細胞生物学など、学問領域を超えた新しい病理学の創造が必要です。医療全体の中での病理学を考えていかなければなりません。診療科としての病理学がもう一つの柱です。病理診断学の立場を確立し、専門医育成システム創りや、病理学会会員が共有できるモデル研修病院を創りたいと願っています。それには研修プログラムの充実や、専門医制度に若い世代の参加、意見の反映が必要です。また日本での専門医研修が海外でも認知される必要があります。アジア諸国との交流活性化と医療の国際化に努力したいと考えています。皆様のご支援をお願いいたします。

黒田 誠  藤田保健衛生大学病理診断科 

私は現在、病理専門医制度運営委員長として"医療としての病理学"の実践と啓発活動に全力を挙げて取り組んでいます。高度先進医療における最終診断やセカンドオピニオン、あるいは医療関連死の問題等で国民が病理に対して今までになかった視点から注目をしてきております。また、昨年度は「病理診断科」の標榜が実現し、「病理診断」を第13部として独立させることもできました。これは病理学会にとって大きなチャンスと考えます。今こそ将来の病理学会のあり方を真剣に考えていくとともに医学生および研修医が"医療としての病理学"に魅力を感じる現場のあり方を検討し実践していかなければなりません。病理が医療に必要不可欠な存在であることを世の中に幅広くアピールをし、国民に支持をしていただけるように尽力します。現在までの病理学会での多くの経験を基盤として全力でがんばっていく所存でございますので御支援の程何卒宜しくお願い申し上げます。

松原 修  防衛医科大学校病態病理学講座

(1)身の丈に合った病理学会へ、(2)Subspecialityの集会を増やす、(3)簡素でpaperlessの学会にを、2年前に掲げて当選させて頂き、理事2年間で国際交流、学術、企画委員を務めました。岡田副理事長のご尽力によりPathol Intのon-line化で学会費の値下げが実現しそうです。病理専門医部会員の会費をなくし、病理専門医部会会計と一般会計を統合し、学会の基金約1億円の特別財産から新規事業資金を捻出することもできたらと考えます。国際交流面では日英、日独、アジアとの交流がしっかりとした3本柱となる様に努力します。変動激しい医療・社会の中にあって、病理学会も新公益法人への移行、後継者育成と病理医人口増加、社会に開かれた学会、広く国際交流といった問題に速やかに対処し、時代に取り残されることなく一つずつ解決していかなくてはいけないと考えています。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

向井 清  東京都済生会中央病院病理診断科

病理医を取り巻く環境は相変わらず厳しいものがあります。標榜科は実現しましたが、人手不足や厳しい労働環境の改善には結びついておりません。2年前に役員選挙制度の改革を訴えてご支援をいただき理事として活動してきました。しかし具体的な案の作成にはまだ至っておりません。公益法人化に合わせて選挙制度を含め、改革を行うことが今後の病理学会の発展には必須です。自薦による立候補者のみならず、他薦にて学会に尽くしていただきたい方を選ぶ方法も必要です。2年という役員の任期も事業の継続性という点からは不適当です。学会は若い病理医が増えるよう努力してきましたが、病理専門医は実働1600人ほどで増えていません。現状を打破するためには、学会が一丸となって多くの課題に取り組んでいく必要があり、広く人材を求めるためにも選挙制度の改革は必須です。2年前のお約束を守るためにもう1期の任期をお与えいただく様お願い申し上げます。

仲野 徹  大阪大学医学系研究科病理学

 病理学とは、疾患の原因・病因を探る統合的な学問分野であり、形態学を基盤として、分子生物学をはじめとする他分野の先進的成果を総動員して取り組んでいかなければならない。すべての医学部生は、病態を正しく理解できる医師になるため、最先端の学問分野としての病理学を身につけなければならない。私は、病理診断には従事しておりませんが、大阪大学医学系研究科・病理学の教授に就任してからの5年間、このような考えに基づき、教育および研究に勉めてまいりました。病理学の重要性と魅力を広く発信するとともに次の世代に伝え、さらに発展させていくことが、病理学教室に籍を置く私に課された何よりの責務であると考え、非力ではありますが、日本病理学会のために力を尽くすことができればと、思いを定めるにいたりました。何卒、ご理解をいただき、このたびの理事選挙(全国区)への立候補につきまして、ご支援を賜われば幸甚に存じます。

根本則道  日本大学医学部病理学

日本病理学会は創立100周年を目前にして、かつて経験したことがない程の大きな転機を迎えています。平成20年4月の医療法改正による標榜診療科としての病理診断科の誕生と診療報酬改正における第13部病理診断の独立は、病理診断科の開業を可能とし病理医の社会的認知の上で大きな弾みとなりました。一方、現行の診療報酬表におけるドクターズフィーに相当する病理診断料の算定には様々な制約があり、医療現場における病理診断の実情と大きく乖離すると共に、多くの問題点が指摘されています。そして、この点がわが国の病理診断医の育成に大きな障害となっていることも事実です。私は医療業務委員長として社会保険委員会と共にこの問題点に真剣に取り組んできました。今後もわが国の将来を担う医師が進んで病理医を一つの職業選択として目指せるような医療環境を整備することに誠心誠意努める所存です。会員の皆様の力強いご支援をお願い申し上げます。

岡田保典  慶應大学医学部病理学教室

診断病理学と実験病理学の一方に偏ることなく、両者がバランスよく運営されることが日本病理学会にとって最も肝要と信じております。このような観点から、「実験的事実に裏打ちされた診断病理学」と「ヒト疾患の診断・治療に結びつく実験病理学」が表裏一体となった情報を提供する学会を目指して、これまで学術担当の常任理事・副理事長として、学術集会の改革、Pathology Internationalのonline化、市民公開講座の改善、などに取り組んできました。今後は、年会費値下げの実現、次代を担う若手病理医・病理学者の発掘、新たな病理医・病理研究者の獲得・育成が重要課題と考えています。これらの課題達成に向けて、学部・大学院生や研修医に魅力と期待を抱かせる病理学を提示するとともに、日本病理学会のさらなる活性化・充実を目指して努力したいと考えております。病理学会員の皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

笹野公伸  東北大学病理診断学

多くの日本病理学会の諸先輩方のご尽力で病理診断科が標榜科とはなりました。 しかしこれから病理診断を志す後継者をより多く本邦で輩出していくにはまだまだやる事が多く残されております。 すなわち米国などで行なわれていますように病理医が直接患者に診断料他を請求出来る方向性を確立するなど、名目/書類上だけではなく実質的に病理医が独立した標榜科としてやっていける地位を築いていける筋道をつけるのが現時点で未来の病理診断医に対して我々が出来る一番の事ではないかと思います。この為には我々自身が患者の正確な病理診断を下す為に日々病理診断の研鑽を積んで行く事が何よりも重要であり、学会としても出来るだけ多くの卒後教育の機会を設けていく方向を第一に考えたいと考えます。 更に外保連、内保連などの場を含め病理診断科/診断医の地位を更に向上させる方向で日本病理学会が全力で取り組む事も提案していきます。

髙橋雅英  名古屋大学医学系研究科分子病理

この度、日本病理学会理事選挙に立候補するにあたり、所信を表明させていただきます。
 私は2006年4月より向井清先生の後を受け継ぎ、Pathology Internationalの編集長に就任いたしました。この間、日本病理学会の英文機関誌としての質の向上に努め、宿題報告担当者(日本病理学賞受賞者)のReview Articleの執筆や採択論文のweb siteへの迅速な出版を行ってきました。その結果、2007年、2008年度のインパクトファクターを1.3台にまで上げることができました。2010年度からはPathology Internationalは完全on line化になります。英文機関誌はその学会の研究活動のレベルを反映する鏡でもありますので、on line化以降もさらにその質の向上と迅速な出版に努めていきたいと考えています。また学会員の多様な意見、成果を学会の学術活動に反映できる取り組みを推進していきたいと思います。特に形態学を基盤とするヒトの疾患の病態解明は病理学会が中心となるべきであり、その存在感をアピールできるように努力いたします。

髙松哲郎  京都府立医科大学病理学

私は小児科を学んだ後病理学に取り組み、多くの先輩や同僚に支えられて教育・研究・診療について多くのことを学んでまいりました。研究では独自で開発
したイメージング技術を用いて新しい心臓病の考え方を病理学に持ち込むことに取り組み2007年宿題報告を担当させていただきました。これまで日本病理学会
は私の仕事を支えてくれたもっとも大きな組織でありますが、今度はこれまでの経験を生かして同僚や後輩の支えになればと考えて立候補しました。私の研究
キャリアは医学部以外の分野の方々との交流から始まりましたが、懐の深い病理学会には医学だけではなく医学以外の分野との人的交流は是非行うべき重要な
ものであり、経験を生かした貢献ができればと考えております。

上田真喜子  大阪市立大学大学院病理病態学

 私は現在、日本病理学会の理事および人材育成委員会委員長として活動させていただいております。昨年のアンケート調査の際には、多くの会員の皆様の御協力をいただきましてまことにありがとうございました。このアンケート結果を基盤に、人材育成委員会としての提言をまとめる予定になっております。今後、日本病理学会のさらなる発展のためには、若手病理医のリクルートや、その育成がきわめて重要かつ急務です。特に女性病理医数が増加している現在、育児支援はもとより、女性病理医・病理研究者が男性病理医・病理研究者と対等のキャリアアップが出来るような育成・支援システムを確立・充実させていくことがますます重要になると考えられます。この課題の達成に向けて、私は全力で努力したいと考えております。皆様の御支援を賜わればありがたく、よろしくお願い申し上げます。

安井 弥  広島大学大学院分子病理学

診断病理と実験病理は表裏一体、どちらも欠くことのできない「病理学」の推進力です。医療としての病理学は、先進医療や社会的要求に答えるべく、様々な努力がなされています。一方、基礎医学を支えるMD研究者の不足は、臨床研修義務化以降に特に深刻であり、毎年の卒業生の0.3%(全国でわずか25名程度)となっています。しかし、病理へ進む者は未だ少ないものの1%近くもいます。これは、全国から診断系以外の病理学講座が消滅する危機ではなく、逆に大きなチャンスと言えます。さらに私たちには、医科学研究に必要な物事を二次元ではなく鳥瞰的に捉える目があり、医療・社会のニーズに即したシーズを見いだすことも得意です。今こそ、重きを診断に置く者も実験に置く者も一致団結して、病理学の使命と立ち位置を認識し、重要性と魅力を広くアピールする時と考えます。病理学会がその場となるように尽力いたす所存です。ご支援をお願い申し上げます。