このページでは、Javascriptを使用しています
  • 日本病理学会について
  • 市民の皆さまへ
  • 専門医
  • 病理医への扉
  • 刊行物

HOME > 新着情報 > 診療標榜科目としての病理診断科


診療標榜科目としての病理診断科

(社)日本病理学会 理事長 長村義之

厚生労働省、医道審議会標榜部会において、2007年9月21日、「病理診断科」の標榜が承認されました。永年の要望であった病理診断科の標榜が実現した ことは、多くの先輩の方々、会員皆様方のご尽力の結果であり、心より感謝申し上げるとともに、この喜びを分かち合いたいと思います。
また、この間における行政、医道審議会におかれましては、市民・患者のための医療の質の向上、担保という観点から卓越した見識を示され,深く敬意を表するものであります。
今後の予定としまして、来年4月に向けて、政令で標榜科名が包括的に整理され、省令によって個別の標榜をすることになります。すなわち、今回の決定によ り、内科、外科など大きな診療領域に臓器名、疾患名、症状名などを付記して標榜することが可能となりました。また,内科、外科の括りには入らない診療科、 すなわち小児科、産婦人科など省令に掲げられた科も標榜可能となりました。その中に、新しい科として、救急科、病理診断科、臨床検査科が含まれています。
このように今後、病理診断科単独で標榜が可能となることによって、我々の病理診断業務の医療、社会に果たす責任がこれまで以上に明らかとなり、かつ増して ゆくものと考えます。このような状況に伴って、今後学会がどのように対処してゆくのか、病理医個人としての活動がどのように変わって行くのか、また医療に おける位置づけ、役割がどのように展開してゆくのかなど、国の施策と歩調を合わせながら、慎重かつ適切に行動していく必要があります。会員、病理専門医の 皆様に於かれましては、様々なご意見をお寄せいただき、ともに標榜科としての発展を図っていこうではありませんか。
学会では、標榜科に関する今後の進捗状況について、種々の媒体を通じて病理専門医部会ならびに会員の皆様にご案内して行く所存です。因みに、来年の5月 15日~17日に金沢で開催される第97回日本病理学会では、ワークショップ「病理業務/診療科としての病理診断科」が企画され、病理診断科標榜に焦点を 絞って議論される予定で、現在その準備が進行中であります。

以上、診療標榜科としての病理診断科の現状と病理学会としての今後の対応などにつきご案内いたしました。