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術中迅速病理標本作製・病理診断および病理組織未固定検体、細胞診検体の取り扱いについて―新型コロナウイルス関連―(日本病理学会 2020年5月18日) |
術中迅速病理標本作製・病理診断および病理組織未固定検体、細胞診検体の取り扱いについて
―新型コロナウイルス関連―(日本病理学会 2020年5月18日)
令和2年5月18日
一般社団法人 日本病理学会
理事長 北川昌伸
医療業務委員長 佐々木毅
5月14日に政府より発表された多くの地域での緊急事態宣言の解除等を受け、日本病理学会として表記病理検体の取り扱いに関して推奨する方針を変更いたしますので、ご周知の程よろしくお願いいたします。
1.臨床的に症状がなく、新型コロナウイルス感染の可能性がないもしくはほぼないと臨床医が判断した患者からの未固定検体の場合
これまでの病理検査室、病理診断の実績を鑑み、また、PCR検査、抗原検査あるいはN95マスク、フェイスシールド付きマスク、個人防護服などの医療資源が地域によってかなり逼迫ないし枯渇している現状を鑑み、臨床的に新型コロナウイルス感染の疑いがないあるいはほぼないと臨床医が判断した患者からの未固定検体(術中迅速、細胞診等を含む)の取り扱い関しては、従来通りの「標準感染予防策(飛沫感染予防策、接触感染要望策)」に従って検体を扱うことも許容する。
なお、PCR検査が未実施の場合、ハイリスク検体である気管支肺胞洗浄液、気管支ブラシ、喀痰、胸水、超音波気管支鏡下針生検、肺のコア生検の捺印細胞診標本といった呼吸器検体は、Biological Safety Cabinet (BSC) Class II(クリーンベンチは不可)で検体処理を行うことを推奨する。また、骨腫瘍など骨を含む検体では、標本作製時にストライカー等を使用する可能性があり、この際に大量のエアロゾールが発生することから、これらの検体に関しては術前のPCR検査実施の有無に関しての確認を行ってからの標本作製が推奨される。
2.新型コロナウイルス感染患者および臨床的に新型コロナウイルス感染症を疑う患者からの未固定検体の場合
引き続き、すべての未固定検体に関して、個人防護服(キャップを含む)、N95マスクまたはPAPR(Powered Air Purifying Respirators)マスク、ゴーグルを着用の上、BSCでの検体処理を必須とする。
*ご質問、ご意見等は「日本病理学会事務局(jsp-admin@umin.ac.jp)」まで、メールにてお願いいたします。大変に恐縮ですが、現在、日本病理学会事務局は政府および東京都の方針に従い、原則テレワークとさせていただいております。電話での対応はお受けいたしかねますので、ご了解の程お願いいたします。