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HOME > 病理医への扉 > 病理医は求められています


病理医は求められています



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病理研究者が求められています
病理診断医が求められています
患者さんと会う病理医が求められています
女性病理医が求められています
病理教育者が求められています
Doctor of Doctorsが求められています
病理専門医への道


病理研究者が求められています

病理学は、病気の原因・本体・転帰を明らかにすることを目的にしています。あらたな発見や解明により、その疾患を患う世界中の人々が救われます。



▲ 研究室



▲ 学会での発表風景

研究と臨床の両立が可能

私が病理学に出会ったのは大学一年生の冬のことでした。教養の講義で病理標本を見せていただく機会があり、それ以来すっかり病理学的診断と、患者さんの検体を用いた研究の奥深さに魅了されました。結局大学6年間を通じて、原研病理教室にて診断を学び、研究をさせていただきました。
病理学の重要な業務と言えば、誰しもが思いつくのが診断業務だと思います。病理医のつける診断はすなわち最終診断になり、この診断に従って治療まで行われることになります。これに加え、実際に患者さんから得られた組織を用いているわけですから、新たな診断法をdirectに見つけ出すことができ、果ては実際の臨床に則した新たな治療法をも見つけだすことができるということは、病理学ならではの大きな特徴でしょう。実際私も、免疫染色をしたスライドを顕微鏡でのぞきながら、その向こう側にいる患者さんのことに思いを馳せつつ、研究を続けられたのは幸せな経験であったと感じています。
現在、私は1年目の研修医として学んでいます。実際の臨床にあって病理学の重要性というものを再確認させられる毎日です。今後も、病理学の診断と研究の必要性を心に深く刻みながら毎日を送っていくつもりでいます。

長崎大学
吉崎 歩



病理診断医が求められています

日本では、年間1200万件の病理組織診断、1600万件の細胞診、2万2千件の病理解剖が行われています。これらは患者さんの治療だけでなく、日本の医療の質を高めるためにも役立っています。



▲ 病院スタッフと共に顕微鏡をのぞく



▲ 小児病棟での院内ミニコンサート(向かって右端が筆者)

病理医の眼が患者を救う

私は地域の二次救急を担う公立病院(病床数約300)の常勤病理医です。赴任した当初は私自身、はたして地方の中規模救急病院に常勤病理医が必要なのだろうか?と思っていましたが、今では病理診断医の必要性を確信しています。
ある患者さんが吐血のため救急外来を受診し、胃からの出血を内視鏡で止血できず緊急手術となりました。そこで手術室から病理検査室に、胃の出血部位の組織が提出されました。肉眼形態のみでは良性か悪性かの判定が困難でしたが、顕微鏡的所見は明らかな胃がんでした。執刀中の外科医に診断を電話連絡したところ、患者さんの術式は止血目的を目的とした単なる胃の切除から胃がんの根治手術に変更されました。常勤病理医の診断によって即座に最善の治療を行うことができた一例です。
病理診断医は病院における医師集団の重要な構成員であり、治療戦略における参謀的役割を果たしている、と自負しています。全身臓器をみる診断病理は知的好奇心を絶えず刺激される学究的業務であると同時に、各科の医師やコメディカルスタッフと力をあわせて医療に貢献するダイナミズムも味わうことができる、やりがいのある仕事です。病院病理医として勤務しながら私生活では3人の子供にも恵まれ、公私ともに充実した毎日を過ごしています。病理医になって良かった、診断病理を職業として選択したのは正解だった、と心から思っています。

沖縄県立北部病院
大城 真理子(病理歴13年)



患者さんと会う病理医が求められています

最終診断となることが多い病理診断では、セカンドオピニオンを含めて、患者さんに直接会ってお話する病理医が求められています。



▲ 病理外来



▲ 顕微鏡で見ればすぐにわかるの?

十分な説明と納得のために

 私が勤務する施設では、病理外来を開設しています。病理外来は、毎週1回、午前2時間・午後2時間が組まれており、一枠は30分です。電子カルテ上に設定されている病理外来枠に主治医が申し込むシステムとなっていて、病理側はその内容を見て標本等を受診前に準備しています。病理外来を訪れる患者さんは術後の乳がん患者さんが多いのですが、消化器手術予定の患者さんが術前診断の確認に受診したり、また、呼吸器外科の患者さんが以前の手術の結果を正確に聞きたくて受診したりと、患者さん自身が積極的に病理受診を希望しています。他院からの病理外来紹介や病理診断へのセカンドオピニオンも申し込まれます。患者さんからの質問内容は、病理診断や治療に対するものから生活習慣や保険に関するものまで広い範囲に及びます。病理診断については専門家として、一方、治療法やその他については専門外であっても医療者として常識の範囲で答えています。今まで病理外来を訪れた患者さんにアンケート調査をした結果では、病理専門医による病理診断の説明は、患者さんの医療に対する納得につながることが判ってきています。患者さんが納得したり、喜んだりする場面に立ち会うのは医師としての基本的な喜びです。

呉医療センター・中国がんセンター
谷山 清己(病理歴25年)



女性病理医が求められています

多くの女性病理医が活躍しています。



▲ この病理診断は



▲ シンポジウム 第95回病理学会総会



▲ シンポジウム 第95回病理学会総会


家庭や子育てと仕事の両立

 マンガ・テレビ・インターネットなどがすっかり生活の一部である年代の医学生・研修医の方々は、情報を目から画像として吸収するということに慣れており、病理診断学という、細胞のおりなす組織模様を読みとるという仕事に向いていると思います。
"形態は機能を反映する"ので、多くの疾患では病理診断が最終診断となります。病理像から病気のメカニズムを推理し、診断を下すというのは、まるで推理小説を読み進めているようなおもしろさがあります。顕微鏡を通して病気の本質の理解にたどり着いた時、あるいは"わかった"と感じる時の感激は何ものにも代え難いものがあります。病理医は直接患者さんと会うことは少ないのですが、医者の中で最も多くの患者の診断に携わっています。治療法の選択に重要な情報を提供し、将来の経過を正確に予測することを通して、患者さんのために大きな貢献をしているのです。私は女性ですので、女子医学生・研修医の方に少し病理診断医の宣伝をさせていただきます。
医師の国家試験に合格しながら、医者としてのキャリアを全うする女性は、残念ながら少数です。もしあなたが結婚しても子供を持ったとしても一生医者を続けるつもりであれば、病理診断学はうってつけです。体力の差が仕事の能力の差に直結しません。妊娠、出産、子育てなど、どうしても時間的制約を受けやすい女性にとって、受け持ちの患者さんを持たずに自由裁量で時間が使えるというのは非常に貴重です。なにしろ、子供が傍らで寝ていても仕事ができるような科は他にはないのですから...(^_^)v

東京医科大学
泉 美貴(病理歴19年)



病理教育者が求められています

病理学は、医学生や医療関係者だけでなく、一般の方々にも必要な知識です。 また、卒後臨床研修医のCPC 教育や、臨床医の生涯教育も求められています。



▲ 学部学生との交流



▲ 高校との連携授業

医学教育への関わり

 病理学は、研究・診断に加え、教育という側面をもっています。解剖学、生理学、生化学などで正常の身体の仕組みを学習した後、病的状態ではいかにこれが障害されるかを学ぶのが病理学です。いわば、基礎と臨床の架け橋に当たる重要な部分で、すぐれた臨床医を育てるためには欠かせません。私たちの大学では、講義室で行われる一方通行の講義にかわり、病理学などで学んだ知識を動員し、実際の症例の病態を理解できるようにするため、学生臨床病理症例検討会や英文誌の症例検討会記事を教材とした読書会を行っています。
病理診断は疾患の治療方針を決定し、予後を予測する上で、とても重要です。病理医は、患者さんに会うことは少なく、あまり身近な存在ではありませんでした。そこで私たちは、病理のことを多くの方々に知ってもらうため、市民公開講座や、高校との連携授業(高大連携授業)を通して、病理医の仕事や病理診断の重要性を伝えていくよう努めています。市民公開講座では、病理学者の手で疾患の発生、進展機構が解明されてきたか、それが、いかに最先端の分子生物学的研究に結びついているかをお話しています。連携授業では、高校生に実際に正常組織と疾患の組織標本を対比して、病理診断を体験してもらっています。このように病理医には教育面でも幅広い活動が求められています。

横浜市立大学
長嶋 洋治(病理歴20年)



Doctor of Doctorsが求められています

病理医は最終診断を下すことから、Doctor of Doctorsと呼ばれています。現在の病理診断は、病変の質的診断のみならず、予後因子や治療選択にも関わりがあります。



▲ 日本病理学会 理事長 深山正久



▲ 研修ファイルと専門医部会誌

皆さんの病理研修を応援しています

 研修医、医学生の皆さん、こんにちは。このパンフレットの中で紹介されているように、病理医は医療の中で活躍するやりがいのある仕事です。また病理学は、研修という点からみても、初期臨床研修が済んだ後に、もう一度臨床を俯瞰することのできる魅力的な分野です。病理組織診断、病理解剖を通して全身の病気に向き合い、総合医としての見方、姿勢を磨くことができます。一方、自分の興味を抱いた臓器について、病気の成り立ちを詳しく検討できるチャンスも得られます。
 専門研修の一年目には、あらゆる臓器の腫瘍、変性、炎症など様々な病変の知識を幅広く身につけ、二年目からは、検体を観察し診断を下す傍ら、深く臓器病理学を学び、臨床各科との合同カンファレンスで病理医として活躍していただきたいと思います。病理診断学は実践によって自らの診断能力、判断力を鍛えることのできる分野です。また近年、治療技術の革新に伴い治療予後が改善している一方で、予想もつかない病態が出現することもあります。病理解剖は依然として重要で、病理医はCPC(clinico-pathological conference)の指導者としても期待されています。「医療の中の病理学」の実践者、病理医はいま大いに求められています。
 日本病理学会は「病理研修登録制度」を発足させ、申請者に研修ファイル、専門医部会誌「診断病理」(季刊)を無料で配布しています。多くの診断学セミナーも随時開催されています。病理学に興味を抱いた人は、是非、病理専門医研修に参加して下さい。日本病理学会は皆さんの病理研修を応援しています。

(社)日本病理学会 理事長
深山 正久




▲ 病理専門医への道



表紙の言葉


表紙に登場しますのは、花の咲く木の下を散歩するトリケラトプスです。花は蝶のかたちをしておりますが、ブルーエルフィンという実在する花がモチーフになっています。構図は花札の"鹿"よりヒントを得ました。

(県立岐阜病院  山崎 英子)


問合せ先:
日本病理学会 The Japanese Society of Pathology
〒113-0034
東京都文京区湯島1-2-5 聖堂前ビル7階
TEL 03-6206-9070/FAX 03-6206-9077
E-mail: jsp-admin@umin.ac.jp
URL: http://pathology.or.jp/




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