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平成22~23年度理事長 青笹 克之  ごあいさつ

(社)日本病理学会理事長 青笹 克之

 日本病理学会は2011年に創立100周年を迎える長い歴史を有する学会であり、現在の会員数は約4,000名となっております。理事長を務めております青笹 克之(あおざさ かつゆき)が日本病理学会の紹介をさせていただきます。
 
 近代の病理学はルネッサンス期のイタリアに淵源を有する学問分野で、医学・医療のなかで中心的な位置を占めて参りました。現在においても、良い医師を育 成するための学生教育、がんを中心とする疾病の原因や成り立ちを明らかにするための学術研究活動、そして医療の分野では病気の診断に重要な役割を担ってお ります。社団法人日本病理学会定款には「この法人は病理学に関する学理及びその応用についての研究の振興とその普及を図り、もって学術の発展と人類の福祉 に寄与する」と謳っており、社会に対する広範かつ重要な責務を自覚しております。このため、学会には30をこえる委員会が設置されており、理事会の指導の もとに活動を続けています。主なものとしては医学部学生の病理学教育の改善・充実についての検討を進める教育委員会、学術研究の推進を目的とした各種の委 員会、病理診断の精度向上や病理医の労働環境の改善を目指す医療業務関係の委員会などがあります.最近は医療関連死についての取り組みを内科学会、外科学 会などの関係学会と協調して積極的に行っております。
 日本病理学会は春、秋の年2回の総会を開催して、学会員及び関連分野の研究者との学術交流を行っております.この他に、北海道、東北、関東、中部、近 畿、中国四国、九州沖縄に支部がおかれ、それぞれ独自の学術交流集会を開催しております。このような取り組みを通じて、教育、研究、診断業務活動の質の向 上につとめています。 
 1970年代より医療、特にがんの医療における病理診断の重要性が明確となって参りました。内視鏡や手術により患者さんから採取された組織を顕微鏡で観 察して行う病理診断は病院に勤務している病理専門医によってなされています。がんの診断において、病理診断は最終的な診断となるものであり、その重要性は 極めて大きなものです。現在、日本には約2,000名の病理専門医がいますが、医療現場からの日々増大する病理医にたいする需要に充分応えるには新聞など でも報じられているように、その不足は深刻な状況にあり、国家的な支援策が必要と考えます。病理学の発展および病理医の育成を通じたがんを中心とした医療 の向上を目指している日本病理学会に対する皆様のご理解、ご支援をお願い申し上げます。