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日本病理学会について
> ホルマリン対策進行状況調査結果報告
平成21年度医療業務委員会 剖検・病理技術委員会
【はじめに】
平成20年3月に特定化学物質障害予防規則が改正されました。平成21年3月には猶予期間も過ぎ、包括的な規制が行われています。法改正後半年が過ぎたこ ともあり、病理学会員のホルムアルデヒドの対策状況を把握するためアンケートによるホルマリン対策進行状況調査を行いました。アンケートは日本病理学会認 定施設の先生方にご協力をしていただき、486施設中301施設(回収率62%)の先生方から回答が得られました。
【結果と考察】
- 集計では病理部門でホルマリン対策を行っている施設は96%で非常に高い数字が得られました。
- 特定化学物質作業主任者の選任を行っている施設は58%、技能講習を修了したが選任は行っていない施設は17%でした。
- 発散抑制措置として、局所排気装置またはプッシュ・プル型換気装置を設置した施設は74%、設置予定は13%で、設置場所は「切り出し」が最も多い回答でした。
- 作業環境測定では測定済み81%、計画があると回答された施設は12%でした。
- 作業環境測定の場所と測定結果の関係では、切り出し作業で測定を行っている施設は71%であったが、第1管理区分が41%と少ないという結果でし た。切り出し作業では局所排気装置等の設置が多かったにもかかわらず この結果でした。考えられる要因は、必要十分な発散抑制装置であるか?または発散抑制装置の正しい使用をしているか等が考えられます。
- 特定業務従事者健康診断を行っている施設は64%でした。医療機関では深夜業に従事する看護師が特定業務従事者健康診断を行っているので、未実施の施設は、施設健康診断担当部署と連携をとることが望まれます。
【結語】
病理学会認定施設におけるホルムアルデヒド対策は、順調に進んでいると考えられました。
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