第3部の根拠となる実証解析データ

[参考データ ①] 実際のホルマリン固定パラフィン包埋標本 (生検検体・手術検体)から抽出できるゲノムDNAの量と質

  • 信頼性のある解析を行うには、質の高い充分量の核酸を得ることが必要である。研究計画の策定に際して参考とするため、実際の組織標本から得られたゲノムDNAの量と質のデータを例示する。
  • HER2を治療標的とした肺癌個別化治療のためHER2ならびにHER2関連分子の過剰発現・遺伝子増幅・遺伝子変異を探索する観察研究に供した、ルーチンの病理診断のために作製したホルマリン固定パラフィン包埋標本 (生検検体・手術検体)の、ルーペ像・Nanodrop (Thermo Fisher)で測定した抽出DNA量・Qubit (Thermo Fisher)で測定した2本鎖DNA量・TruSight Tumor (Illumina)によるDNAの品質検証としてリアルタイムPCR法により測定した対照DNAとの間のΔCT値を以下に示す。

    ホルマリン固定・パラフィン包埋標本かた抽出できる核酸の量と質の例(1)
    ホルマリン固定・パラフィン包埋標本かた抽出できる核酸の量と質の例(2)
    ホルマリン固定・パラフィン包埋標本かた抽出できる核酸の量と質の例(3)
  • 50症例の試験で (平均値±標準偏差)、薄切枚数10.3±7枚、Nanodropで測定した抽出DNA量13798±27585ng、Qubitで測定した2本鎖DNA量4403±8539ngであった。ルーチンのホルマリン固定パラフィン包埋標本から、広汎な解析に必要な核酸が抽出できる場合が多いと考えられる。