第3部の根拠となる実証解析データ

[実証データ ⑦] ホルマリンを含まない固定液のRNAの品質への影響

  • 卵巣癌・胃癌・肺癌同一症例の手術検体より、10%中性緩衝ホルマリンで3-5日固定してFFPE標本を作製し、PAXgene Tissue container で4〜6時間固定してPFPE標本を作製した。8µm切片2-4枚よりQIAsymphony (Qiagen)を用いて全RNAを抽出した。
    ホルマリンを含まない固定液のRNAの品質への影響 ホルマリンを含まない固定液のRNAの品質への影響の表
  • 本検討の限りでは、RNAの品質は概して同等かPFPEにおいて低下していた。4-6時間のPAXgene固定では、固定不良を起こしたと推測される。RNaseの失活が充分でない等の理由で、RNAを用いた解析は、DNAを用いた解析に比して固定不良の影響を受けやすいと推測される。特にRNAを用いた解析を行おうとする場合、PAXgene固定は12-24時間行うべきであると考えられた。