第3部の根拠となる実証解析データ

[実証データ ③] 固定時間・ホルマリンの種類と濃度のRNAの品質に対する影響

  • 単一施設において、死後3時間以内に実施された病理解剖例から得られた大腸粘膜と肝臓を用いて解析した。
  • FFPE Tissue DNA kit (Qiagen)によりゲノムDNAを抽出し、Tape station - genomic DNA (Agilent)を用いてRIN値を測定した。
    固定時間・ホルマリンの種類と濃度のRNAの品質に対する影響
  • 第3部[実証データ ②] のDNAの品質に対する影響とは異なり、15ないし20%ホルマリンの方が、10%ホルマリンに比して、高い品質が得られる傾向にある。また、3-7日固定の方が、1日間の固定に比して、高い品質が得られる傾向にある。すなわち、RNAを用いた解析のためには、DNAを用いた解析の至適条件に比してより充分な固定を行う方が、恐らくRNaseが完全に失活する等するため、良好な解析結果が得られる場合がある。試料利活用研究の目的に応じて、固定条件を選択すべきと考えられた。
  • データを示していないが、1ヶ月の固定では、RNAについても品質は著しく低下しばらつきが顕著となる (N)