第2部の根拠となる実証解析データ
[実証データ ⑬] 検体輸送方法のゲノムDNAの品質に対する影響
- 同一症例手術検体の同一部位 (非癌部)より採取した2-3mm角ほぼ等大の組織片を、速やかに液体窒素により急速凍結し液体窒素中に一定期間保管した後、輸送方法を変えて検体を輸送し、フェノール・クロロフォルム法によりゲノムDNAを抽出して、その品質を比較した。
- 比較する処理方法は以下のとおり。
- #1: 摘出後速やかに液体窒素により急速凍結、輸送なし
- #14: 摘出後速やかに液体窒素により急速凍結、-80℃等の温度保持を保証し温度記録
用のチップを内蔵した移送容器等を用いる専門運送業者により2日間輸送
- #15: 摘出後速やかに液体窒素により急速凍結、ドライアイスを充填した発泡スチロール
容器を用いて宅配便により2日間輸送
- ゲノムDNAの抽出ならびに品質評価は同一実験室で同一実験者が行った。DNAの品質評価は、アガロースゲル電気泳動、2200 TapeStation システム (Agilent)によるDIN測定、増幅長1241 bpならびに2823 bpのゲノムPCR反応により行った。
- 輸送前の採取・保管方法が適切であれば、検体輸送方法はゲノムDNAの品質に顕著な影響を与えない。
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