第2部の根拠となる実証解析データ

[実証データ ⑩] 超低温槽 (-80℃)における保管のタンパク質の品質に対する影響

  • 超低温槽 (-80℃)において最大2年間保管した肝臓組織に、組織1g当たり3mlのプロテアーゼインヒビターを含むRIPA bufferを加え組織の分散・破砕を行った。さらにサンプルを常法によりゲル化、洗浄、脱水、還元処理、トリプシン消化後、liquid chromatography-electrospray ionization-quadrupole-time of flight mass spectrometry (LC/ESI-QTOF MS)によるプロテオーム解析を行った。

長期保管のプロテオーム解析に対する影響

  • -80℃保管で2年以上経過すると、検出タンパク質数・ペプチド数が減少することがわかった。
  • これに対し液体窒素における長期保管では、同様のプロテオーム解析の障害はまれである。
  • -80℃保管によりタンパク質の品質が低下する可能性が考慮されるので、特に長期に保管した検体を用いようとする場合は、タンパク質の品質を充分検証してから解析を行うことが望ましい。