第2版改訂の序

平成22年1月吉日
日本病理学会教育委員会委員長 覚道健一

病理コア画像は前の教育委員会の努力の下、長い年月を経て、その初版が平成19年2月に病理学会HPに公開され、約3年が経過します。平成20年日本病理学会教育委員会構成が一新され、コア画像の改訂を行うことが検討され、理事会の承認と財政的支援のもと、平成20年3月より改訂作業が開始されました。本日病理コア画像改定第2版を日本病理学会ホームページに公開できることは私ども現教育委員会としても大変な喜びです。

学部学生や、一般の方々のご意見から、より親切な組織所見の解説の要望と、分野ごとのばらつきの指摘があり、一部の分野では内容が高度に過ぎるとのご意見もあった。これらのご意見を踏まえて、今回の改定では、

  • 1)利用者の視点を加えるため卒後3−5年の病理学大学院生、後期研修医の方々を公募し、5名を委員(ブラシュアップ委員)として加わっていただいた。
  • 2)対象疾患の選択と、提示する写真については全員の討議をへて、可能な限り統一性を図った。
  • 3)学部学生が3、4年時に学習するに必要な100疾患を選定し、ミニマルエッセンシャルとしての100疾患を明示した。これを『コア100選』と命名し学生諸君の学習の指標を示した。
  • 4)全体として248疾患を解説したが、148疾患については、卒業までに学んでほしい疾患であり、コア100疾患を学ぶために重要、対比すると理解しやすいことを配慮し選定した。
  • 5)口腔病理専門医制度運営委員会より委員の推薦があり、歯学部学生に焦点を当てた10疾患を『歯科のコア疾患』として加えた。
  • 6)初版は病理各論として作成されたため、総論的疾患、全身性疾患は含まれていなかったが、これらを項目として作成し、各論にリンクすることにより学習が可能なシステムに変更した。
  • 7)すべての写真に解説、説明を加えた。
  • 8)アニメーションを加え、組織、肉眼写真のどの部分が解説、説明に相当するかを図中に明示した。

初版病理コア画像は、HP公開、CD出版、さらに多くの著書に転用されるなど好評であった。その貴重な画像の多くを改訂2版にも使用させていただいた。初版に尽力いただいた中島孝(静岡がんセンター)先生をはじめ、前教育委員会(堤寛委員長)の諸先輩に感謝の意を表します。最後に、改定第2版作成に協力いただいた病理学会教育委員会現委員各位、ブラシュアップ委員各位、さらに症例収集にご協力、写真提供いただいた多くの方々のお名前を以下に記載し感謝の意を表したいと考えます。

日本病理学会教育委員会 委員
伊藤 浩史
井内 康輝
下 正宗
寺田 信行
長嶋 洋治
羽場 礼次
若狭 朋子
口腔病理専門医制度運営委員会推薦委員
小川 郁子
病理コア画像ブラシュアップ委員
加藤 生真
川上 史
渋谷 信介
野坂 加苗
中黒 匡人
症例提供・編集協力者:
防衛医科大学校 病理部 助教授 津田 均先生
都立駒込病院 骨軟部腫瘍科 五嶋 孝博先生
福井大学医学部 皮膚科学 熊切 正信先生
鈴鹿中央病院中央検査科 副院長 村田 哲也先生
鈴鹿中央病院中央検査科 後期研修医 林 昭伸先生
京都大学医学部附属病院 病理診断部 真鍋 俊明先生
大阪医科大学附属病院 病院病理部 辻 求先生
大阪南医療センター 臨床検査部 棟方 哲先生
大阪市立大学医学部附属病院 病理部 大畠 尚子先生
大阪市立大学大学院医学研究科診断病理学 教授 若狭 研一先生
大阪府立急性期・総合医療センター 病理科 主任部長 伏見 博彰先生
大阪府立急性期・総合医療センター 病理科 医員 島津 宏樹先生
大阪赤十字病院 病理部部長 新宅 雅幸先生
大阪赤十字病院 皮膚科部長 堀口 裕治先生
大阪府済生会野江病院 病理検査室 平塚 拓也先生
近畿大学医学部附属病院病理部 筑後 孝章先生
和歌山県立医科大学 病理学 森 一郎先生
宮崎大学医学部病理学講座 片岡 寛章先生

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