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輯報ソフトの改善案を求めます

今回、輯報ソフトの次バージョン開発について広く意見を求めるため輯報ソフト懇談会という名称のMLを開設いたしました。参加希望者は自己紹介を記したメールを
   syuuhou@freeml.com  に送ってください。登録いたします。(費用はかかりません。宣伝のジャンクメールが来ますがご容赦ください。)以下になぜ次バージョンが必要なのか、そして現在当方で考えております改善案件のポイントを記します。
 

なぜ次バージョンが必要なのか

  現在会員の皆様にはバージョン2の剖検輯報入力ソフトを使って頂いております。しかしながらこのバージョンには多くの改善要望が寄せられています(「アンケートに見られた剖検輯報入力ソフトについての要望集」を参考にしてください)。
    バージョン2の開発時に複数施設の協力を得て動作チェックを行った結果、第44輯、第45輯に壊滅的なバグは出ませんでした。しかしテキスト入力やリス ト選択、印刷機能、ソート機能などといった基本的機能に多くの改善余地があります。また複数データの統合作業が剖検登録責任者に大きなストレスを与えてい ます。個々に作られたデータの判別管理方法や重複剖検番号の取り扱いなどに工夫の余地があります。施設内でサーバークライアント形式にしていつでもデータ を確かめられる様にする機能も求められています。併せて各施設自前のデータベースの利用に対する積極的サポートを求める声は大きく、病院のIT化が進んで いる昨今、汎用的なデータ形式をサポートすることでFD登録施設の増加と作業負担の軽減を図る必要がありましょう。
   次にデータの暗号化の問題 があります。剖検輯報データの取り扱いは「疫学研究における倫理指針」[※参照]に沿って行われることが求められる方向にあり今後はガードを固めなければ なりません。各入力者の自覚に頼らざるを得ない部分も大きいのですが少なくとも統合・提出用データは暗号化される必要がありましょう。また本ソフトの稼働 時に煩わしいようでもパスワードによるプロテクトをかける必要もあるかもしれません。データ暗号化が実現された暁には提出方法にインターネット経由による サーバへの直接送付という選択肢も現実性がありましょう。
   最後になりましたが、FDによる輯報登録率(現在75%)を90%以上に引き上げる ためには日常的な剖検業務を支援する機能が是非とも必要と考えられます。IT化が進まない施設で年間剖検数が少ないと用紙登録が選択されることが多いよう ですが、剖検一般データの管理や診断報告にも使えるソフトであれば例えば取りあえずは台帳としても使ってもらえましょう。また研修医などの数ヶ月単位の ローテイトを抱える大病院においてもその間の剖検データをこのソフトを使って管理すればそれぞれが輯報データ作製に直結します。より完全なFD登録を実現 させるのは、「強制されて使う」ソフトではなく、「便利だから使う」ソフトだと思われます。
   以上、「剖検輯報入力システム」のバージョン3開発の必要性について述べました。

※ 疫学研究における倫理指針:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/09/s0904-3e.html

  

改善案件のポイント(順不同)

  1. データの出し入れは暗号化されたもので行う必要がある。
  2. 日常の病理剖検業務に活かせるものである必要がある。
  3. 他形式のデータベースとデータ交換が可能にする必要がある。
  4. 各種リストの選択枝がより見やすく、かつ検索しやすいものである必要がある。
  5. 現行のインターフェイスで運用可能な部分は変更しない。
  6. 提出データ形式を策定し各施設が独自の入力システムを開発できるようにする。
  7. 剖検輯報を用紙で書いた経験がない病理医も理解しやすいシステムである必要がある。
  8. データ統合を担当する者が困らないシステムである必要がある。
  9. 提出を受けた剖検情報委員会側が整理しやすいデータ形式。
  10. 操作が覚えやすいものであること。ヘルプがついたものであること。
  11. 例えば対話形式での入力も求められれば可能なオプションが付いていること。
  12. 誤操作への対処レベルなどにはオプションで対応。
  13. 一つの操作についてもメニュウ、アイコン、マウス右クリック、キイボードなど複数方式をサポートすることを厭わないものとする。
  14. インターネットでのデータ提出をサポートする必要。
  15. 施設内のサーバークライアント形式のサポート。


問題点

  1. 選択しやすいリストとは? 臓器別に分けても尚も疾患名数は膨大であり、それがそのまま解決に繋がるとは思えない。
  2. 疾患コードには年によって変更がある。その変更にどのように対応させるのか?変更リスト部分の交換をオンラインのバージョンアップで可能にできるか?

 

日本病理学会剖検情報委員会幹事

楠美 嘉晃