2017年1月アーカイブ

2017年1月25日

「国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針2017」(案)意見募集について

会員各位

日本病理学会理事長 深山正久
同将来構想検討委員長 佐々木 毅

日本病理学会常任理事会及び将来構想検討委員会等関係委員会では、将来のよりよき医療に向け、診療報酬制度の改革を主眼に、本学会としての短・中・長期目標と行動指針としての「国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針」を策定して参りました。現在は2015版を公開しております。引き続き、国民の皆様に広くご理解を求め、ご支援をお願いするべく、今般2017版の策定に取り組んでおります。つきましてはこの案について、会員の皆様からご意見をいただきたく存じます。

>>「国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針2017」(案)はこちら(PDF形式)

参考: 同指針2015はこちら

ご意見、お気づきのこと、その他ございましたら、平成29年2月13日までに、会員番号・氏名をお書き添えの上、事務局宛(E-mail:jsp-admin@umin.ac.jp)お知らせ下さい。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年1月24日

進行肺癌に対するPD-L1免疫染色についての留意事項について

日本病理学会会員の皆様
肺がんの病理診断に関わる医療従事者の皆様
日本病理学会
PD-1/PD-L1ガイドライン委員会
谷田部恭、森井英一

 2015年12月、そして2016年 12月に、免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブ(商品名 オプジーボ)、ペムブロリズマブ (商品名 キイトルーダ)がそれぞれ切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に承認(適応拡大)されました。特に、ペムブロリズマブの投与にあたっては、承認されたコンパニオン体外診断薬 (PD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」) を用い、腫瘍細胞におけるPD-L1陽性を確認することが求められています。これまでの臨床試験の結果で、一次治療ではPD-L1陽性細胞≧50%、二次治療以降は≧1%の腫瘍に対して有効性が示されており、病理医は腫瘍細胞におけるPD-L1発現状態を報告することを求められるようになります。また、一次治療にも組み入れられるため、EGFR変異検査、ALK再構成検査と同じく、進行肺癌であれば、診断時に検査することが推奨されています(2016年版 肺癌診療ガイドライン)。このPD-L1(22C3) 免疫染色を施行するにあたっては以下の点に留意する必要があります。
 1. ペムブロリズマブに対する効果予測はPD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」で行うこと。
 2. PD-L1(22C3)発現の報告には、少なくとも3つの基準を明記すること。

1. ペムブロリズマブに対する効果予測はPD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」で行うこと。
 現在、肺癌における免疫チェックポイント阻害剤として ニボルマブも保険承認されていますが、この体外診断薬はPD-L1 IHC 28-8 pharmDx「ダコ」*で、ペムブロリズマブのPD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」とは異なります。両者の違いは抗体クローンが異なるのみならず、陽性判断基準が異なるため、現時点では一方の免疫染色で代替えすることはできません。また、体外診断薬はDako自動免疫染色装置LINK48で施行する必要があり、施設面での要求もあります。詳細については、地方ごとに必要条件や評価方法などの講習会が予定されていますので、発売元のDakoもしくはMSDにお問合わせの上ご参加ください。

2. PD-L1(22C3)発現の報告には、少なくとも3つの基準を明記すること。
 PD-L1(22C3)発現の報告には、No expression (<1%), low expression (1-49%), high expression (≧50%) の3つの基準が明記される必要があり、参考値としてどの程度陽性率を示したのかも併記することが推奨されています。例えば、生検された腫瘍で腫瘍細胞がPD-L1 80%の陽性率を示した場合は、EGFR陰性、ALK再構成陰性を確認して、ペムブロリズマブによる一次治療が可能です。一方で、20%の陽性率の場合は、一次治療では使用できませんので、2次治療以降で用いることにな成ります。このように、PD-L1発現の程度によって、ペムブロリズマブをいつ使うことができるのか判明します。

 現在、殺細胞性抗がん剤治療、分子標的治療とならんで免疫チェックポイント治療についての目覚ましい効果が報告され、その一部は肺癌に代表されるように病理医のPD-L1免疫染色の評価が必要となっています。これらのPD-L1免疫染色について日本病理学会はPD-1/PD-L1ガイドライン委員会を立ち上げるとともに、日本肺癌学会との合同委員会を通じて、会員および関連する医療従事者に有用な情報を随時提供していきたいと思っております。

*有用な情報を提供する体外診断薬との位置づけであり、投与に当たってはその染色結果によって患者選択を必ずしも行う必要はない。これに対して、ペムブロリズマブはPD-L1発現によって患者選択を行う必要があり、投与前には必須となる(コンパニオン診断薬)。

2017年1月10日

厚生労働省健康局難病対策課より「難病指定医」についての周知依頼

平成28年12月
医療業務委員長 森井英一

表記の件につき、下記の通り周知依頼が参りましたので、ご報告申しあげます。

厚生労働省健康局難病対策課より
当省HPにおいて、指定医研修開催状況一覧(平成28年12月1日~平成29年3月31日)を掲載いたしましたのでお知らせいたします。
 
資料の通り、難病指定医の要件② 診断又は治療に5年以上従事した経験があり、一定の研修(※)を修了していること。※1~2日程度の研修
に基づき、経過的特例により難病指定医に指定されている場合には、平成29年3月31日までに都道府県が開催する研修を受けて頂かなければ、その効力は失われます。
また、今年度中に研修を受けずに指定医の効力が失われた場合、再度指定医に指定されるためには、改めて都道府県に対して指定医の指定の申請を行う必要があります
(指定にあたっては、都道府県が開催する研修を受ける必要があります)。

上記について、都道府県市、研究班から、また、厚生労働省HPでも周知しております。
各研修会に関する詳細については、HP内の問い合わせ先までお願い致します。

よろしくお願いいたします。

>>厚生労働省HPはこちら

>>参考資料はこちら(PDF形式)

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