理事長の最近のブログ記事

2011年3月19日

韓国病理学会(The Korean Society of Pathologists)よりお見舞いのメッセージが届きました。

2010年11月 4日

秋期特別総会出欠葉書をご提出ください

(社)日本病理学会
学術評議員及び一般会員の皆様へ

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。度々となりまして恐縮ですが、秋期特別総会ご出欠の件で再度ご連絡を差し上げております。

きたる平成22年11月25日(木)13時30分より14時40分まで西日本総合展示場(北九州市)に於いて、下記事項を付議のため、社団法人日本病理学会平成22年度秋期総会を開催いたしますので、ご出席くださいますようご案内申し上げます。

議題は下記の通りですが、特に1の議題については是非会員の皆様のご意見を伺うことが平成23年度の活動を計画する上で、必要ですので、ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

このことにつきまして、10月初旬にお送りしました「お知らせ3号」に、ご出欠の有無をうかがう葉書を同封いたしております。ま だこの葉書をお手元にお残しの方がいらっしゃいましたら至急ご投函下さい。特にご欠席の場合、この葉書が委任状となりますので、押印、署名の上、必ずご送 付いただけますようお願い申し上げます。

 また11月8日時点で葉書受理未確認の先生方には同様の葉書を往復葉書にて再送させていただきます。葉書の送付が行き違いとなりましたらご容赦下さいませ。

 なお、ご不明の点がございましたら、病理学会事務局
(mail:jsp-admin@umin.ac.jp、電話:03-5684-6886)へお尋ね下さい。 

社団法人日本病理学会理事長 青笹 克之     

議 題 

1. 平成23年度事業計画並びに収支予算の件

2. 選挙制度改革の件

3. 第58回(平成24年度)秋期特別総会会長選出の件

4. 第102回(平成25年度)総会会長選出の件

5. その他



※ お詫び 11月11日に事務局より一部の会員の方にお送りしましたE-mail文中に「今月24日の総会」と記載がございますが、こちらは「25日」の間違いでございます。お詫びして訂正申し上げます。

2009年12月14日

新学術評議員の推薦について

本学会学術評議員として適当と思われる会員(資格条件は、申請時点において病理研究歴満7年以上、会員歴5年以上)がありましたら、その候補者名に所属機関、職名、略歴並びに業績目録をそえ、推薦状に学術評議員2名以上連署のうえ、平成22年1月31日までに学会事務局あて書留にてお送り下さい。
 各位からご推薦のありました候補者につきましては、理事会において上記の条件を書類審査し、その結果により、春期総会時に開催されます学会総会にて承認を受けることになります。

※書式は自由です。(参考)

社団法人日本病理学会事務局

2009年7月31日

第57回(平成23年度)秋期特別学術集会会長ならびに第101回(平成24年度)
学術集会会長の募集について(公募のお知らせ)

社団法人日本病理学会は、第57回(平成23年度)秋期特別学術集会会長ならびに第101回(平成24年度)学術集会会長を以下のとおり募集いたします。

学術評議員各位

平成21年7月
社団法人日本病理学会
理事長 長村 義之

 日本病理学会秋期特別学術集会(秋期特別総会)の会長ならびに学術集会(春期総会)の会長は、定款施行細則の定めるところにより、いずれも理事会が選考し、総会において決定しています。
 ここに、第57回(平成23年度)秋期特別学術集会会長ならび第101回(平成24年度)学術集会会長を、下記の要領により募集いたします。

1.応募は自薦であること。
2.応募者は、第57回秋期特別学術集会会長の場合は平成23年11月1日に、また、第101回春期学術集会会長の場合は平成24年4月1日にそれぞれ満65歳以下の日本病理学会学術評議員であること。
3. 第57回(平成23年度)秋期特別学術集会会長の応募は、関東地区からの限定とすること(なお開催地は、会長所属機関と異なる利便性の高い場所を選択することもできる)。
4. 応募者は、日本病理学会学術集会改革案(平成18年5月1日決定 会報221号平成18年6月掲載)の主旨を踏まえて、所定の用紙に学術集会に対する考え 方、学術集会の具体的な実行計画、日本病理学会及び関連学会において近年に行った主要な学術活動等を記載すること。
5. 応募の締切りは、平成21年9月30日(消印有効)までとすること。

なお、所定用紙の交付または本件についての質問がありましたら、本学会事務局までお問い合わせください。


2008年12月10日

新学術評議員の推薦について

本学会学術評議員として適当と思われる会員(資格条件は、申請時点において病理研究歴満7年以上、会員歴5年以上)がありましたら、その候補者名に 所属機関、職名、略歴並びに業績目録をそえ、推薦状に学術評議員2名以上連署のうえ、平成21年1月31日までに学会事務局あて書留にてお送り下さい。
 各位からご推薦のありました候補者につきましては、理事会において上記の条件を書類審査し、その結果により、春期総会時に開催されます学会総会にて承認を受けることになります。

※書式は自由です。(参考

社団法人日本病理学会事務局

2008年8月 5日

第56回(平成22年度)秋期特別学術集会会長ならびに第100回(平成23年度)
学術集会会長の募集について(公募のお知らせ)

 社団法人日本病理学会は、第56回(平成22年度)秋期特別学術集会会長ならびに第100回(平成23年度)学術集会会長を以下のとおり募集いたします。

学術評議員各位

平成20年7月
社団法人日本病理学会
理事長 長村 義之

 日本病理学会秋期特別学術集会(秋期特別総会)の会長ならびに学術集会(春期総会)の会長は、定款施行細則の定めるところにより、いずれも理事会が選考し、総会において決定しています。
 ここに、第56回(平成22年度)秋期特別学術集会会長ならび第100回(平成23年度)学術集会会長を、下記の要領により募集いたします。



1.応募は自薦であること。
2.応募者は、第56回秋期特別学術集会会長の場合は平成22年11月1日に、また、第100回春期学術集会会長の場合は平成23年4月1日にそれぞれ満65歳以下の日本病理学会学術評議員であること。
3. 第56回(平成22年度)秋期特別学術集会会長の応募は、関東地区以外からの限定とすること
  (なお開催地は、会長所属機関と異なる利便性の高い場所を選択することもできる)。
4. 応募者は、日本病理学会学術集会改革案(平成18年5月1日決定 会報221号平成18年6月掲載)の主旨を踏まえて、所定の用紙に学術集会に対する考え 方、学術集会の具体的な実行計画、日本病理学会及び関連学会において近年に行った主要な学術活動等を記載すること。
5. 応募の締切りは、平成20年9月30日(消印有効)までとすること。

なお、所定用紙の交付または本件についての質問がありましたら、本学会事務局までお問い合わせください。


2008年6月30日

「医療の安全確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に
関する試案-第三次試案-」に対するパブリックコメント

理事長 長村義之

 4月3日に公表された「医療の安全確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案-第三次試案-」に対して、日本病理学会は理事会のご意見を伺い、常任理事会で作成したパブリックコメントを4月28日に提出いたしました。厚生労働省ホームページ(5月16日付け意見の中間まとめ)にも掲載されています。会員の皆様におかれましては、「病理学の医療・社会への還元」という視点から、是非お目通しいただきたく存じます。
本件に関しましては、日本病理学会としても、行政・閣議などの今後の動向を充分見据えて行きたいと思っております。さらに具体的な案件が出ますれば、またご案内いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案-第三次試案-」に対する意見について


平成 20 年 4 月 28 日
 社団法人 日本病理学会
理事長 長村義之

日本病理学会はわが国における医学医療の発展のため、病理学の学術、社会活動を行う社団法人であり、病理診断、病理解剖を担う病理専門医制度を運営し、約 2000名の病理専門医を擁している。病理医は、病理診断を通して、質の高い安全・安心の医療の実現を目指している。とりわけ患者の死に際して、病理解剖 とその後の臨床・病理カンファランス(CPC)を通して、臨床医とともに、診断・治療の適切さを点検、反省し、医療の改善に生かす努力を日常的に行ってい る。また、病理医による解剖結果の遺族への説明などによって、遺族の医療・医学への理解にも直接的に貢献している。
 
以上の立場から、日本病理学会は、遺族、国民と医療者をつなぐ「診療関連死の死因究明」制度の創設に向けた厚生労働省の積極的な姿勢を高く評価しており、 今回の第三次試案に基本的に賛成する。しかしながら、この試案を実施に向けて進展させていくためには、死因究明の基盤となる調査、評価システムを整備する ことが重要で、とりわけ解剖調査を始めとした調査実施施設の体制および人的整備といった重要な問題を十分に検討する必要がある。社団法人 日本病理学会からのパブリックコメントとして、このような点に的を絞って問題点を挙げ、それらの解決を強く要望したい。

[地方委員会による調査] (27) ②

第三次試案では、診療関連死について、地方委員会が管轄する調査チームが死因究明に関する調査を行い、中央の医療安全調査委員会(仮称)が再発防止策を提 言する、という具体的な仕組みが示されている。診療関連死の調査のために行われる解剖は死因究明の過程の重要な第一歩であり、従来から行われてきた病理解 剖あるいはその延長線上にあるとされる。通常の病理解剖は医療の質を自己点検するために必須の手段であるが、診療関連死の死因究明も病理解剖に基盤がある ことに充分な配慮を望みたい。すなわち、この20年間にわたって病理解剖数は減少の一途をたどり、現在は欧米諸国に比べ非常に低い水準となっている。この ような状況を招いた主な原因は、病理解剖費用が医療機関の負担として放置されてきたため、医療機関が積極的に環境を整備することが困難であったことにある と考えられる。このような現状を重く受け止め、これらの病理解剖費用を公費負担とすることが国民的視野からも強く望まれる。
[地方委員会による調査](27)③
次に、解剖担当医と解剖施設の問題である。大部分の医療機関では「ひとり病理医」であることが多く、産婦人科や小児科に引けをとらず多忙を極めていること から、地域によっては担当病理医が不足する可能性が高い。このような現状を鑑みて、病理医の育成という基本策が重要であることとともに、制度の実行が容易 となる具体策が十分に考慮されなければならない。以下、3点について指摘する。
1.日本病理学会では、国民の医療、病理診断を安心で納得の出来るものにするために継続的に努力してきたが、慢性的な病理専門医不足を解消するに至ってい ない。このような状況の打開のためには、病理医の役割に対して医療従事者のみならず社会的認知度を更に高め、専門医養成の基盤となる財政的支援が行われる ことが必要である。
2.次に、制度の実行に向けて、解剖担当医(病理医)の地域単位のグループ化、現実的な登録制度等の整備とともに、解剖施設等の運営のための充分な財政的裏づけが必要となる。
3.具体的には、地域ごとに診療関連死の死因究明のための解剖施設を複数箇所設けることが求められるが、既存施設を充実させるなどによって、各都道府県に 最低1ヵ所の拠点施設を設置することが望まれる。そして拠点施設を中心にして隣接する都道府県と密接なネットワークを形成し、互いに支援しあうことが必要 である。このため、現在行われているモデル事業実施地区を地域全体の中心とし、県単位の拠点施設を指導し、地域ごとの活動がスムーズに行われるように協力 体制を整備しなければならない。

[地方委員会による調査](27)②*
なお、今回、解剖の補助的手段として死亡時画像診断の活用が検討課題にあげられている。この方法は既に法医や救急の現場では死因の検索に有用なことが知ら れているものの、とりわけ確定的な医学的事実を基盤としなければならない当事業の調査、評価に当たっては、全く評価が行われていない。したがって、いきな り単独の調査方法として導入することは大きな混乱を招くことが予想される。このため、解剖と併用することにより充分な検討を行う必要がある。

まとめ
以上、日本病理学会としては、本事業への効果的かつ積極的な参画のため、具体的な要望検討項目として以下の三点を挙げ、さらに医療安全推進のため、病理解剖の公費負担を要望する。
1. 病理医の役割に対する社会的認知度を高め、専門医養成の基盤となる財政的支援
2. 解剖担当医(病理医)の地域単位のグループ化、現実的な登録制度等の整備、解剖施設等の運営のための充分な財政的裏づけ
3. 既存施設の充実による解剖調査拠点の設置とネットワークによる協力体制の構築。
4. 病理解剖の公費負担。


2008年5月12日

診療標榜科名「病理診断科」の実現を受けて(一般の皆様へ)

日本病理学会理事長 長村義之
診療標榜科「病理診断科」について

平成20年4月1日より「医療法施行令の一部を改正する政令」および厚生労働省令により、"病理診断科"が医業に関して広告できる診療科名(診療標榜科 名)となりました。日本病理学会では病理診断とは何か、病理医は何をしているのか、そして医療を受ける患者さんに今回の決定はどういう意味を持つのか等 を、国民の皆様に段階的に広報してまいりました。ここに、病理学会理事長として改めてこれらの点を整理し、ご説明したいと思います。

今回、この法律が制定されたことにより、医療環境にどのような変化がもたらされ、国民の皆様はどのようなサービスを受けられるようになるでしょうか。
まず、医療機関である病院において院外に病理診断科が他の診療科名と共に広告され、院内にも"病理診断科"が掲げられることになります。このことにより患者さんは、どの病院が病理専門医を擁して病理診断をしている診療精度の高い病院であるかを知ることが容易になります。
また、院内での病理診断科も表示されるところから、患者さんが直接病理医からの説明を希望されることが想定されます。現在でも既に「病理外来」を開設して 患者さんに説明をされている施設もございます。そのような施設では、主治医と充分に連絡を取り合った病理医から自分の病気の診断や術後の結果に関して、直 接、診断の内容(ファーストオピニオン)を聞くことが可能になります。現在は限られた施設で施行されているのみですが、病理医数が潤沢になり、我々の環境 が整えば、是非多くの施設で患者さんと接点が持てるようにして行きたいと思います。当面は、医療機関ごとに各々に適した形で患者さんのニーズに対応して行 くことになると思います。まず、主治医の先生とご相談ください。
さらに、今回病理診断科が標榜されたことにより、患者さんは、別の病院で受けた検査によるスライドなどを持参してセカンドオピニオンを求めて病理診断科を 受診することも可能になります。このような場合には、セカンドオピニオンの意味付けを患者さんにご理解をいただいた上で、ファーストオピニオンとセカンド オピニオンの間で混乱が生じないよう精度管理、病理医間のコンサルテーションの充実など病理学会として努めたいと考えています。
最後に、患者さんが病院から受け取る領収書には"病理診断"の項目が新設され、そこに受診に応じた点数が書かれることになります。患者さんは病理科受診に 対しての医療費を負担するわけですから、われわれ病理医は今まで以上に病理診断の社会的責任を感じております。病理学会としてもこれを機に病理医の診断の 精度管理およびコンサルテーションの整備に尚一層の力を入れていく所存であり、すでに様々な対策を進めています。

私共病理医は、これまでもチーム医療の一員として、病理診断やカンファランスを通して患者さんがより良い適切な医療を受けられるように努力してまいりまし た。今後は「見えない病理医」から、病理診断科を通じて患者さんとより積極的なかかわりを持つ「見える病理医」へと変わっていくことになりますが、チーム 医療における立場は決して変わることはなく、より正確でかつ的確な病理診断を通じて医療のために尽力していくことをお誓いします。今後とも病理学会の活動 にご支援いただけますよう何卒宜しくお願い申し上げます。



2008年4月 8日

診療標榜科名「病理診断科」と
診療報酬改定「第2章第13部 病理診断」の実現を受けて

日本病理学会理事長 長村義之
診療標榜科「病理診断科」について

平成20年4月1日より「医療法施行令の一部を改正する政令」および厚生労働省令により、"病理診断科"が医業に関して広告できる診療科名(診療標榜科 名)となりました。日本病理学会の永年の念願であり、その実現に向けてこれまでご尽力されてこられました多くの先輩の方々に改めて深く感謝申し上げます。

この法律が制定されることにより、我々には何が求められ、また我々はどのように変わって行く必要があるのでしょうか。
まず、医療機関である病院において 病理診断科が他の診療科名と一緒に院外に広告されることになります。このことにより患者さんは、病理専門医が病理診断 をしている診療精度の高い病院であることを知ることになり、また、院内でも診療科としての病理診断科が明記されますので、病院を受診されている患者さんに その存在が周知されます。病理診断に対する国民の理解が深まることは我々の望むところでもあります。
このような状況で、病理医としての業務の対応は当面現状通りで大きな支障はないと思われます。しかしながら、診療科としての標榜は、何らかの形で病理医が 外来で患者さんと接する機会を設ける際に、大きなよりどころとなります。その様な施設においては、病理診断科に来てファーストオピニオンとしてのご自分の 病理診断について説明を希望される患者さんも出てくることでしょう。その際には、病理医にも診療科としての対応が求められると思います。すなわち患者さん と主治医に充分なコミュニケーションをとり、配慮をしつつ病理医が説明をする場面も充分に想定されますし、もう既に"病理外来"として開始しておられる施 設もあると伺っております。この件は、各医療機関で無理のない形で患者さんからのニードに対応してゆく必要があろうかと思います。また、患者さんがスライ ドなどを持参してセカンドオピニオンを希望されることも多くなってゆくと思いますが、ファーストオピニオンとセカンドオピニオンは異なるものであることを 充分に認識し、同一標本の診断を巡って混乱が起こらぬよう、病理学会としてこれを機に病理医の診断の精度管理およびコンサルテーションパネルの整備に更に 力を入れてゆきたいと考えています。


診療報酬改定について

今回の診療報酬改定では、日本病理学会としては病理診断を第3部「検体検査」から独立させることに集中して厚生労働省に要望しました。内保連、中医協、医 師会ともお話し、最終的には舛添要一厚生労働大臣にも私たちの要望を聞いていただきました。その結果、4月1日から病理診断は、第13部の新たな部として 創設されました。これまで、病理診断という医行為が検体検査の3部に入っていることで、診断料として前回の改定で保険収載されたものの検査の一部として扱 われており、"病理診断"は病理専門医による仕事であることが患者さんにも、コメデイカルの方、学生諸君などにも周知されませんでした。今回の改定「第 13部の創設」は、病理診断が果たしている診療行為の社会的な責任を患者さんにも理解していただくという視点からも、後進の若手病理医をリクルートすると 言う点からも、極めて意味の大きいことと考えています。内容に関しても、病理標本作製料(880点)と病理診断料(410点)に分けて、ホスピタルフィー とドクターズフィーの考え方が具体的に導入されることになりました。この改定の実現に多くの時間を費やしていただいた厚生労働省医療課の方々に深く感謝申 し上げます。個々の保険点数は、ほとんどの項目がそのまま据え置かれましたが、これも、全体としての医療費削減を考えた場合、我々にとって評価すべき結果 と考えるべきでしょう。先ず、診療報酬体系の中に病理診断をしっかり位置づけることが大切と考えます。患者さんが病院から受け取る領収書には"病理診断" の項目が新設されています。患者さんは、医療費の3割を負担されるので、我々は病理診断の社会的責任を充分に感じて診断業務に当たる必要があります。学会 としても精度管理に更に力を入れてゆく必要があり、精度管理小委員会で会員のためのマニュアル作成を進めています。
病理診断に関わるわが国での大きな課題は、現在登録衛生検査所で行われている病理診断の取り扱いおよび病理医が医業としての病理診断を開業する場合です。 ご存知のように病理診断は医行為であるので(平成元年 医事課長通達)病理診断は医療機関で行うよう厚生労働省からは義務付けられています。その上で、医 療機関において病理専門医が病理診断をする場合、病理診断料を請求することが出来ます。衛生検査所も標本作製部分と病理診断部分を分けて考え、病理診断の 部分では、病理診断医は保険医登録し医療施設としての施設登録する必要と思われます。この後者が病理診断の開業につながるものと考えます。この点に関して は、解決すべき多くの課題が内在するものと思われます。日本衛生検査所協会(日衛協)、日本医師会などとも十分に審議し、病理学会としてもシステム作りに 既に取り掛かっています。次の診療報酬改定では、標本作製の内容、病理診断行為にかかる時間などを考慮に入れた、具体的保険点数の向上を図りたいと考えて います。

このように、考えてきますと、我々病理医を取り巻く環境は「診療標榜科としての病理診断科」「診療報酬における第13部の創設」により大きく前進したもの と思います。これをベースに病理医の診断業務が浮き彫りにされ、開業を含めた診療業務形態も多様化し、診療報酬も向上する下地が出来たものと思っていま す。細かい問題点はこれから、会員の方々および市民の方々のご意見を伺いながら、学会として充分な審議を尽くして、"良い方向へ変革"を遂げてゆきたいと 思います。この方向は若手病理医の育成にもつながるものと信じています。
皆様のご理解とご支援を宜しく御願いいたします。
最後になりますが、病理学会「病理診断体制専門委員会」「社会保険小委員会」の先生方の献身的なご尽力に深く感謝申し上げます。


2007年11月30日

診療報酬改定につき11月16日中医協審議内容のお知らせ

(社)日本病理学会 理事長 長村義之

11月16日の中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬基本問題小委員会にて、厚労省提案の「病理診断を検体検査から独立させ新たな部を創設する」が、 承認されました。これは、過日よりご案内しておりますように、病理学会より内保連を通して最重要課題として要望していた案件であります。
厚労省の提案文は以下の通りです。

第2 病理学的検査診断・判断料について
1 病理学的検査の現状と課題
 病理は、単なる検査としての役割ばかりでなく、がん等の病名や病期の最終診断の判断となる場合や、治療方針の決定、治療効果や予後の判定など、医療を遂 行するために不可欠な情報を提供する重要な役割を担っている。しかしながら、現行の診療報酬点数表上の位置付けは「第3部 検査」の一部となっている。
2 論点
(1)病理の重要性に鑑み、診療報酬点数表上の位置付けについて配慮することを検討してはどうか。
(2)病理における新規技術の評価や既存技術の評価の見直しについては、医療技術評価分科会及び先進医療専門家会議における検討を踏まえつつ対応することを検討してはどうか。

これに対し、3号(公益)委員、日本医師会(2号委員)、健保連(1号委員)からも賛同の意見が出され、承認されました。このあと、中医協総会に諮られます。
今後の動きとしては、
(1)内閣府が診療報酬等の改定率を決定する(12月末)
(2)平成20年度診療報酬改定の基本方針を検討している社会保障審議会(厚労省医政局)の諮問内容も勘案しつつ、中医協が、平成20年度改定案に盛り込むべく実務作業に入る
(3)改定案に対するパブリックコメント(~1月)
といった手順になるものと思います。

会員各位のご尽力、ご支援により本案件も中医協にて承認を得る見通しがたちました。御礼申し上げます。
現在、診療標榜科も医道審議会で承認されており、病理をめぐる環境も大きく変わりつつあります。また、死因究明のための事故調査委員会における病理への期待も大きいこともプラスに働いております。
今後とも、Updateな情報を会員各位へお知らせしてゆきますので、宜しくご支援の程お願い申し上げます。

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