第2部の根拠となる実証解析データ

[参考データ ④] 本規程にEならびにAで示した手技を用いて採取・保管した組織検体におけるプロテオーム解析例

  • 腎淡明細胞癌25症例の腎摘除術標本の癌部・非癌部より採取し液体窒素中に保管した検体において、メタノール固定トリプシン消化した後、質量分析計(TripleTOF5600 (ABSciex))で獲得した質量データを2DICAL*により解析した。

*2DICALは国立がん研究センターが独自開発したプロテオーム解析システムで、液体クロマトグラフィー質量分析計(LCMS)計測で得られるスペクトルを結合し、解析対象物質を質量電荷比、保持時間の2軸の座標で認識し、多数症例間での対照比較を可能とした。

2DICALによる2次元画像

癌部・非癌部で差の見られたピーク

解糖系で変動した酵素群

  • 長期間保存された検体から、プロテオーム解析に必要な情報が得られた。
  • 癌部、非癌部の比較において、予想されるタンパク質の変動が確認されたのみならず、新規の変動タンパク質を発見することが可能であった。
  • 解析されたプロテオーム情報をネットワーク解析に供することができた。
  • 本規程にEならびにAで示した手技による組織検体で、信頼性の高いプロテオーム解析を実施することができた。

(Int J Cancer 137:2589,2015;Int J Proteomics 897412, 2012)