第2部の根拠となる実証解析データ

[実証データ ⑨] 長期保管温度のRNAの品質に対する影響

  • 超低温槽 (-80℃)ならびに液体窒素保存容器 (-180℃)において長期保管した検体からZR-Duet™DNA/RNA MiniPrep (Zymo Research)ならびにTRIzol (Thermo Fisher)により全RNAを抽出し、2100 Bioanalyzerシステム (Agilent)によるRIN測定、増幅長994 bpのRT-PCR反応によりRNAの品質評価を行った。

長期保管温度のRNAの品質に対する影響

  • 超低温槽 (-80℃)における長期保管 (10年)を行った一部の検体で、増幅長994 bpのRT-PCRで増幅が見られない (赤矢印)。これに対し液体窒素における長期保管では、同様のPCR failureはまれである。

長期保管温度のRNAの品質に対する影響

  • 同一症例から得られた検体の比較ではないが、超低温槽 (-80℃) における長期保管 (10年)を行った検体ではRIN値が低い傾向を認めた。液体窒素における長期保管では、同様の傾向を認めない。
  • -80℃保管によりRNAの品質が低下する可能性が考慮されるので、特に長期に保管した検体を用いようとする場合は、核酸の品質を充分検証してから解析を行うことが望ましい。