第2部の根拠となる実証解析データ

[実証データ ⑧] 長期保管温度のゲノムDNAの品質に対する影響

  • 超低温槽 (-80℃)ならびに液体窒素保存容器 (-180℃)において長期保管した検体から、ZR-Duet™DNA/RNA MiniPrep (Zymo Research)ならびにフェノール・クロロフォルム法でゲノムDNAを抽出し、アガロースゲル電気泳動、増幅長1241 bpならびに2823 bpのゲノムPCR反応によりDNAの品質評価を行った。

長期保管温度のゲノムDNAの品質に対する影響

腎癌

  • 超低温槽 (-80℃)における長期保管 (5-10年)を行った一部の検体で、高分子量DNAを表すバンドが消失してゲノムDNAの剪断化を認め (青矢印)、増幅長1241 bpないし2823 bpのPCRで増幅が見られない (赤矢印)。
  • これに対し液体窒素における長期保管では、同様の剪断化ならびにPCR failureはまれである.
  • -80℃保管によりDNAの品質が低下する可能性が考慮されるので、特に長期に保管した検体を用いようとする場合は、核酸の品質を充分検証してから解析を行うことが望ましい。