第2部の根拠となる実証解析データ

[実証データ ③] 抽出手技のRNAの品質に対する影響

  • 同一症例手術検体 (種々の臓器)の同一部位 (L1-7)より採取した7組の2-3mm角ほぼ等大の組織片において、同一条件 (−80℃)で保管後、異なる手技でRNAを抽出し、その品質を比較した。
  • RNAの品質評価は、2200 TapeStation システム (Agilent)によるRIN測定により行った。

抽出手技のRNAの品質に対する影響

  • 同一検体・同一保管条件でも、抽出手技により大きく異なる結果が得られた。自動抽出装置を用いている限りでは、実施可能な解析に制限のある低品質のRNAしか得られない検体L1, L2, L4, L6においても、融解させずに液体窒素中で粉砕することで高品質のRNAが得られた。
  • 最終的に得られるRNAの品質は、バイオバンクの採取・保管条件よりも、提供を受けた研究者側の手技に依存する場合がある。バイオバンク業務従事者は、必要に応じて、適切に手技を選択するようバイオバンクユーザーである研究者に注意を喚起すべきである。また、RNAを自ら抽出して研究者に提供しようとするバイオバンクにおいては、適切な手技を選択しなければならない。